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社会福祉法人の新たな経営組織

ガバナンスの強化を図るため新たな機関設計の導入へ

社会福祉法人制度改革の一つに経営組織のガバナンスの強化が盛り込まれた。これまでの経営組織は制度発足当初以来のものであり、今日の公益法人に求められる内部統制の機能を十分に果たせる仕組みではないとの認識のもと、内部管理を強化するため理事会や評議員会、役員等の役割や権限、責任の範囲等を明確に定めるととともに、一定の事業規模を超える社会福祉法人に対して外部機関による会計監査が義務付けられることとなった。

社会福祉法人の新たなガバナンス体制

新しい制度で導入される社会福祉法人の機関設計の特徴は以下のとおりとなっている。

(評議員・評議員会)

評議員の定数は理事の員数を超える数とされ、役員又は職員を兼ねることが出来ない。また、評議員のうちには、各評議員及び各役員の配偶者又は三親等以内の親族その他厚生労働省令で定める特殊の関係がある者を含んではならないとされ、同様なガバナンス構造を有する公益法人以上に公益性が求められている。評議員会は必置の議決機関として全ての評議員で組織され、定款の変更や解散、社会福祉充実計画の承認、理事・監事・会計監査人の選解任等、社会福祉法人の基本的事項の決定権限を有する。

(理事長・理事・理事会)

理事の定数は6人以上とされ、うち1人が理事長として理事会にて選定される。社会福祉法人の役員としては、理事と次項の監事が相当する。理事長は代表権を有するものとして位置付けられ、業務執行理事とともに理事会への職務執行状況の報告等が義務付けられる。そして、理事にも一定の親族制限が求められている。理事会は全ての理事で組織され、業務執行に関する意思決定機関として位置付けられるとともに、理事の職務執行の監督、理事長・業務執行理事の選定及び解職、計算書類・事業報告の承認等の権限を有する。

(監事)

監事の定数は2人以上とされ、社会福祉事業について識見を有する者、財務管理について識見を有する者が含まれなければならない。また、監事は理事又は職員を兼ねることができず、監事にも一定の親族制限が求められている。監事は理事の職務の執行を監査し、計算書類及び事業報告等の監査を行い、その職務を遂行するために理事会への出席義務が課せられている。

(会計監査人)

会計監査人は特定社会福祉法人(その事業の規模が政令で定める基準を超える社会福祉法人)に設置義務があり、その他定款の定めによって置くことができるとされている。この点、社会保障審議会福祉部会報告書では収益(事業活動計算書におけるサービス活動収益が10億円以上の法人、段階的に対象範囲を拡大)、あるいは負債(貸借対照表における負債)が20億円以上の法人が適当とされている。会計監査人は公認会計士又は監査法人でなければならず、社会福祉法人の計算書類及びその附属明細書の監査を行うこととされている。

 

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