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空飛ぶクルマ:市場参入に向けた事業創出の要諦
本稿では不確実性の状況下、どのように空飛ぶクルマの新規事業構想・ビジネスプランを策定し、その戦略を確実に実行し、果実を得るためのアクションを練るべきかを考察する。
はじめに
大阪・関西万博でデモ飛行が予定される空飛ぶクルマは、別名eVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing、電動垂直離着陸機)と呼ばれ、グローバル各国で注目と期待を集める次世代型モビリティである。従来の地上交通手段や航空機とも異なる特徴を持つこの新たな空のモビリティは、都心・地方部でのエアタクシーサービスとしての利活用のほか、緊急災害時におけるヒト・モノの輸送・運搬や、観光地における空中遊覧等の幅広いユースケースでの利活用が期待されている。
こうした全く新しい空の移動サービス市場が創出されることは、実に100年に1度といえる出来事であり、CASEやMaaS等の自動車業界における変革と同様に、従来の人々の移動の在り方に一石を投じる可能性を秘めている。
モビリティ業界の技術やノウハウ、またサービスに関する知見を活かして、すでに様々な事業領域のプレイヤーが空飛ぶクルマ市場への参入の姿勢を見せており、グローバルなパートナーシップや提携等の動きが進んでいる。社会実装に向けては技術開発のみならずインフラ・制度整備等の課題が山積しており、いまだ不確実性の高い新市場である一方で、現時点では多くの企業に参入可能性があり、かつマーケットリーダーを狙えるポテンシャルが秘められている。
本稿ではこの不確実性の中でどのように新規事業構想・ビジネスプランを策定し、その戦略を確実に実行し、果実を得るためのアクションを練るべきかを考察する。まずデロイト トーマツが考える市場普及シナリオについて述べたうえで、新規事業の創出にあたり欠かすことができない効果的な座組み・エコシステムの構築と事業化にむけた主要論点を解説する。
目次
- はじめに
- 今後の市場立ち上がりの見立て
- 空飛ぶクルマの市場構造/プレイヤーに鑑みたエコシステムの重要性
- 運航サービス事業検討における主要論点
①運航サービスの就航エリア/ルートの策定(どこで運航サービスを展開するか?)
②機体のマルチユースによる活用ポテンシャル(どう稼働率・収益性を担保するか?)
③オペレーション検討上の重要要素(運航サービス実装に向けてとるべき構えはなにか?)
- おわりに
- 発行者
空飛ぶクルマ:市場参入に向けた事業創出の要諦
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