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航空宇宙・防衛産業におけるサービス事業革命

航空宇宙・防衛業界において、製品ライフサイクルは30年前後と長く、製品所有コストに占めるアフターサービスの割合は70%にもおよぶ。しかし、歴史的にエンジニアリング・製造がキーコンピテンシーとされていた業界と言うこともあり、アフターマーケットは軽視される傾向にあった。しかし近年は、民間・防衛の両分野においてアフターマーケットにおけるサービスビジネスやスペアパーツビジネスを重要性が高まっている。

サービスビジネスを新たな収益源とした成長

航空宇宙・防衛業界においては製品ライフサイクルは30年前後と長く、製品所有コストに占めるアフターサービスの割合は70%にもおよぶ。しかし、歴史的にエンジニアリング・製造がキーコンピテンシーとされていた業界と言うこともあり、アフターマーケットは軽視される傾向にあった。
しかし近年は、民間分野では、エアラインの低収益に伴う運航コスト削減や運航効率性の向上ニーズ、防衛分野では、防衛費削減に伴う維持コスト削減ニーズの高まりもあり、アフターマーケットにおけるサービスビジネスやスペアパーツビジネスを重要な事業ドメインと捉える企業が増えてきおり、サービスビジネスを重要な収益源としている成長の源泉としている企業も多数見られる。
事実、Deloitteの調査によると、サービスビジネスは利益率で76%、成長率で10%高く、上位25%の企業においては、利益率で259%、成長率で120%、製品製造のビジネスより高いとの結果が得られている。また、サービスビジネスの売上が全体の約50%にもおよび企業も出てきている。この成長性もあり、高利益率が達成可能なサービスビジネスを確実に成長のドライバとすることが今後の業界成長の鍵と言える。

サービスビジネスと製造ビジネスの違いを理解

サービスビジネスは魅力的ではあるが、すべての企業が成功できるとは限らず、また成功は容易ではない。成功している企業の特徴の一つは、サービスビジネスと製造ビジネスの違い対する理解である。
サービスビジネスにおける代表的なビジネスであるスペアパーツビジネスにおける違いを左記に代表されるように、サプライチェーンの複雑性である。また、複雑性だけでなく、多種多様な顧客要求に即応できる柔軟性も必要となる。この複雑性への柔軟な対応力がサービスビジネスでの成否に大きく関わるといえる。 

Service Business Revolution in A&D 図1

サプライチェーン全体がAs Oneになることが鍵

この複雑なサプライチェーンを円滑に動かすためには、顧客、サプライヤー、サービスプロバイダーとのコラボレーションが鍵となる。コラボレーションとは単純に協業するのみならず、
1) サプライチェーン戦略やゴールの統一化、
2) プロセス統合、
3) データ統合と可視化が必要となる。また、
4)  サプライチェーンを最適化するためのノンコアビジネスのアウトソーシング、
5)  共同での投資やナレッジ共有も重要である。
サプライチェーンの歴史は、単一組織内の機能を“チェーン”で繋ぐことから始まったが、サービスビジネスでの成功のためには、組織を跨ぎこのチェーンを繋げることが必要となる。複数の組織が一つの目的のために有機的に結合し、As Oneで動くためには何をすべきか?それを考え、実行することがサービスビジネスでの成功に繋がり、新たな成長の源泉を獲得する術である。

Service Business Revolution in A&D 図2

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