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日本の造船業界のサステナブルな未来に向けて
日本の造船業界は生き残りをかけて再編を進めてきたが、少なくとも企業規模では中国・韓国の背中は遠い状況にある。本レポートでは、日本の造船業が飛躍していくための業界変革課題を整理するとともに、有識者へのインタビューを通して今後必要な取り組みを考察している。
日本・海外の2つの視点から得られた羅針盤
かつて世界一の造船国だった日本は、中国・韓国の台頭により、その座を明け渡し、足元の建造量では第三位に留まる。日本の造船業界は生き残りをかけて再編を進めてきたが、少なくとも企業規模では中国・韓国の背中は遠い状況にある。
一方で、経済安全保障や防衛の観点からも我が国において造船業が果たす役割は大きく、外部環境としては他産業同様に海運にも押し寄せている脱炭素の大波がゲームチェンジの機会であると同時に変化への対応を誤れば脅威ともなりうる。加えて、少子高齢化の影響による人材不足も深刻である。係る状況下において、 日本の造船業界が世界の海事産業の中で長期的にプレゼンスを発揮していくためには複数の変革課題(技術革新・人材強化・環境対応)に取り組む必要がある。
本レポートでは、上記の課題認識に対して日本の大学研究者(船舶海洋工学を専門とする横浜国立大学の満行准教授)と海外の製造業(欧州系舶用機器メーカーの日本法人社長)という異なる立場の有識者に話を伺いながら、日本の造船業がこれから飛躍していくためには何が必要かを考察している。本レポートの内容が業界の持続的な発展に向けた様々な議論・検討の参考になれば幸いである。
上杉 利次
執行役員
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
目次
- 序章
- 技術革新
- 人材強化
- 環境対応
- 結びに代えて
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