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CFO組織のNext Stage

Automotive Newsletter Vol.23 (2015/8)

技術の進歩に伴い自動車の価値、そして競争要因が変化している。このような環境下、持続的に成長を続ける企業の経営層にとってのビジネスパートナーと成り得るCFO組織とは。今、CFO組織には卓越したビジネス感覚を持つ経営参謀たる役割が期待されているのである。(Automotive Newsletter Vol.23 2015/08)

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CFO組織のあり方

近年、自動車産業を取り巻く環境は内外共に、大きな転換期に差し掛かっているが、新しく起こりつつある潮流に対する企業のマネジメントのあり方は変わってきているのだろうか。本稿では企業のマネジメントのあり方を、CFO組織の視点から論じる。

 

CFO組織への影響と今後のあり方

CFO組織はビジネスの意思決定の精度やスピードを上げるために必要な情報を適時適切に提供することが求められる。製品価値の多様化や社会創造型ビジネスに向けた多事業展開のマネジメントは、従来の自動車メーカーとしての伝統的な管理方法(製造原価中心の利益管理、工場・製造設備中心の投資管理等)からの脱却が必要となる。つまり、CFO組織の今後のあり方は、「攻めの役割」の強化と、コスト競争力を失わないための「徹底的な効率化」の両立が求められるのである。

「攻めの役割」
多様性と複雑性に対応したグループ経営管理

グループ(グローバル)経営管理とガバナンスの強化が必要である。元来事業別や地域別のマネジメント志向が強く、グループ各社で異なる仕組みやオペレーションを行っている日本企業にとっては、本テーマの対応は容易ではないだろう。

より精緻で高度な経営の意思決定

事業領域の拡大、新たな市場への進出、新興国での競争激化と投資増大に伴い、より未来を見据えたリスク・リターン管理からの戦略実行支援機能の充実が、今求められている。具体的には、グローバルでの投資配分最適化のための、投資意思決定メカニズムの明確化とモニタリングの確実な実行、投資原資を効率的に捻出するためのキャッシュマネジメントの最適化といった機能が挙げられる。計数管理の仕組みだけでなく、その数値を分析し、意思決定者に対して適切な判断を促すことができるファイナンス人材の確保・育成も重要な要件となる。

「徹底的な効率化」
シェアードサービスセンター(SSC)

CFO組織として、より「攻めの役割」に移行する上で、守りの役割における既存の処理・集計業務は徹底的に効率化し、リーンな体制にしていかなければならない。その際、間接業務の標準化・自動化・集約化を実現するSSCは強力なツールになりうる。さらに、SSCはコスト削減の目的だけでなく、標準化を促すトリガーや情報の一元管理、人材の有効活用のための手段としても有効な施策となる。

 

CFO組織に必要な人材育成

当然のことながら、組織のあり方が変われば人材のあり方も変わらなければいけない。「グローバル」と「マネジメント」がキーワードとなる。

 

おわりに

これまでCFO組織は、経理・決算や内部統制対応、予算編成や予算管理といった既存事業を安定的に運営するための「縁の下の力持ち」的な役割に終始していたように思う。しかし現在、多くの日本企業が事業/産業のライフサイクルを超えた時間軸での持続的成長のため、積極的な事業転換が欠かせない状況に直面しており、円滑な事業転換のため、革新的イノベーションへの資源配分と育成を意図的に行っていく必要がある。こうした企業のイノベーション創出と長期的な利益創出を実現するため、今まさにCFO組織において卓越したビジネス感覚を持つ経営参謀たる役割が期待されている。

企業を取り巻くビジネス環境がめまぐるしく変化し、変革が行われる中、その変化に追随できないCFO組織は存在意義を失っていくだろう。しかし、環境に適応した革新を成し遂げられたとき、持続的に成長を続ける企業の経営層や事業部門にとって不可欠なビジネスパートナーとして位置づけられるに違いない。

 

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