最新動向/市場予測

自動車業界における中国発イノベーション

Automotive Newsletter Vol.30 (2018/2)

世界最大の自動車市場となった中国市場において、近年従来とは異なるプレイヤーが様々な新しいイノベーションを生み出している。本稿では中国で起きている「電動化・知能化・共有化」等、イノベーションの最新動向を整理し、新プレイヤーの「黒船」と日系企業の向き合い方を考察する。(Automotive Newsletter Vol.30)

はじめに

近年の中国企業の躍進は目覚ましく、過去100年間にわたり自動車産業を主導してきた米国に代わり、2009年には中国は世界最大の新車販売市場となった。その後も堅調に成長を続け、2016年には新車販売台数が2,800万台を超え世界全体需要の3割を占めるまでになっている。そしてこの急速な市場拡大に伴い、「黒船」とも言える従来とは異なるプレイヤーが、中国で様々な新しいイノベーションを生み出している。

本稿では、「電動化・知能化・共有化」等、中国で起きているイノベーションの最新動向を整理し、不可避な「黒船」に対する日系企業の向き合い方を考察する。

 

独自の進展を見せる中国自動車業界イノベーション

中国市場で起きているイノベーションの特筆すべき点とは「中国発」という点だ。これは二つの意味を持つ。一つは「中国企業の海外進出」、そしてもう一つの側面として「中国で今起きている電動化・知能化・共有化といった新トレンドがグローバルのそれとは異なる」点が挙げられる。

「CASE」を軸に自動車産業バリューチェーンにどのような変化が起きているのかを整理する。

 

注視すべきイノベーション

  1. 現地発EV普及(E)
  2. ワンストップ型移動サービスの進展(S)
  3. 製造イノベ―ション(C)
  4. デジタル革新(C)
  5. 中国独自自動運転技術デファクト化(A)

 

イノベーション親展の背景

中国独自のイノベーションは、「政府支援・規制」と「高い人材の質」、そしてイノベーションを受容する「国民性」の三点により支えられている。

  • ローカル系企業を後押しする政府支援・規制
  • 海外留学組「海亀」と中国国内叩き上げ「草根」
  • 高いトレンド受容性を持つ国民性

 

中国からグローバル市場への波及可能性

中国発イノベーションはグローバル他市場へも普及が進んでいる。こうした海外展開動向を「西南」と「東」の二方向への矢として整理・考察をする。

西南:「一帯一路」構想 を中心とする経済圏

東:中国人旅行客を梃にした日米への参入

 

日系企業の中国市場との向き合い方

このような中国市場に対して、日系企業はどのように対峙すべきだろうか。以下の三つがポイントと考える。

  • イノベーション戦略再考
  • 国を巻き込んだ取組み
  • 投資リスクの認識

 

おわりに

中国市場の攻略は容易とは言い難いのは事実である。しかし、中国が世界最大の経済大国になる日もそう遠くない今、中国市場を無視することはできるのだろうか。

敬意と真摯な姿勢をもち、中国発イノベーションに積極的に取り組めば、日本と中国の新たな未来が開けると強く信じている。

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