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物流ビジネス勝者の条件

Automotive Newsletter Vol.28 (2017/11)

世界中で物流危機が叫ばれる今日、物流の非効率性を是正する議論がされている。現代、特に先進国では、物流の非効率性を打開するための施策がさらに非効率性を加速させてしまうという負のスパイラルに陥っている。本稿では「物流業」の現状を整理し、モビリティートレンドによるインパクトなども踏まえ、日本企業の今後の戦い方を考察する。(Automotive Newsletter Vol.27)

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はじめに

近年、世界中で物流危機が叫ばれており、日本でも、物流関連のニュースが社会問題のひとつとして連日紙面を飾っている。「物流」は、社会の発展を支えてきた一方で、“生産地から消費地に労力をかけて運ぶ”という、距離と時間を埋める活動であるため、元来非効率なものといえる。物流の非効率性を是正する議論がされているが、極論、“モノを運ばない”ことが最も社会的負荷が低い施策なのだ。それにも関わらず、ミルクランやハブ&スポークなど、物流の非効率性を打開するための施策を様々講じ、その結果がさらに非効率性を加速させてしまうという、負のスパイラルに陥っているのが現代、特に先進国の状況である。「部分最適の集まり≠全体最適」であり、どこか一部分が最適解を導けば、そのしわ寄せは別のどこかに波及する。
本稿では、「物流業」の現状を整理し、日本企業の今後の戦い方を考察する。

 

物流の非効率性

全体最適を考える際のポイントである物流の非効率性の主要ファクターとして、実働率、実車率、積載率が混在しているが、それぞれの意味合いは異なり、それらの解消の方向性も異なる。

物流の非効率性

モビリティトレンドが物流に与えるインパクト

モビリティトレンドが進むと、商用車の時代に突入する。シェアリングや自動運転の進展により、乗用車の役割がモノやヒトの移動を支える「公共財」としての車両に変化する。

物流におけるシェアリングの3つの概念

① 荷物のシェアリング:荷物情報を共有し、トラックの空きを有効に活用 (ヒトモノシェア含む)

② トラックのシェアリング:すなわち所有から利用へ

③ 乗用車のシェアリング:乗用車の「商用化・公共化」

商用車から始まる本当のZEV化

Zero Emission Vehicle(ZEV)化≒電動トラックとすると、真に電気自動車(EV)を必要とするのはトラックである。EVはトラックに求められる要件を満たしつつ、弱点を補えるパワートレインなのである。

 

これからの物流の世界観

モビリティートレンドを受け、物流は今後大きく姿を変える。しかし、変化は画一的なものではなく、産業・地域・道路事情等の諸要件毎に、同時多発的に個別の進化を遂げるだろう。

 

勝ちパターンとポテンシャルのある領域

社会・技術の成熟度に準じステップ毎に勝ちパターンは変わってくる。

社会・記述の成熟度とポテンシャルのある領域

覇権争い

物流業には、「物流」という日々の生活や社会そのものを支える商用業界であり、様々なプレイヤーが存在する。流行をつくりだすのではなく、各業界での動向を踏まえ、予測し、それに即したモノとサービスを丁寧に提供する必要がある。プレイヤーごとの戦い方を考察する。

① トラックメーカー

② フォワーダー、トランスポーター(トラック所有者)

③ 事業者(トラック利用者)

④ インフラ(ITプレーヤー)

 

現代における物事が進むスピードや複雑性、その範囲を鑑みると、個社が単独で広大な物流領域を勝ち残ることは難しい。「物流」は社会の公共インフラであるという認識のもとで、プレイヤー同士が手をつなぎ、あるべき姿を作り上げることが必要になる。

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