最新動向/市場予測

インドネシアバリューチェーンビジネスの可能性

Automotive Newsletter Vol.26 (2016/12)

ASEAN自動車販売の約3割を占める最大市場のインドネシアは、その市場シェアの9割超を日系ブランド車が占めており、日系OEMにとって最重要市場のひとつである。資源価格下落、中国の景気減速等、不確定要素が存在する市場環境下において、今後の市場ポテンシャルを探り自動車関連プレイヤーが取るべき戦略について論究する。(Automotive Newsletter Vol.26)

インドネシア自動車市場 今後の戦略

ASEAN自動車販売の約3割を占める最大市場のインドネシアは、その市場シェアの9割超を日系ブランド車が占めており、日系OEMにとって最重要市場のひとつである。しかし、直近の市場減速要因となった、資源価格下落、中国の景気減速等も解消されておらず、依然として市場の見通しは立ちにくい。 

本稿では、不確定要素が存在する市場環境下において、今後の市場ポテンシャルを探り自動車関連プレイヤーが取るべき戦略について論究する。

 

自動車市場ポテンシャルと直近の状況

インドネシアはGDP成長率5%を堅持しており、ベトナム、フィリピンと並びASEANの経済成長の牽引役として期待されている。また人口も2025年までに2.84億人に達すると見込まれており需要の受け皿として有望視されている。

 

インドネシア自動車市場停滞の背景

明るい経済成長予測とは裏腹に自動車販売台数は停滞を続けている。この要因である経済の落ち込み、都市部における交通課題について分析するとともに、今後の市場成長見込みについて考察する。

・資源価格・通貨下落による貿易収支の悪化

・都市部における社会課題の深刻化

・都市部に集中する中間層・高所得者層

 

自動車保有向けサービスの必要性

自動車市場の成長が鈍化している現在では、自動車メーカー各社は一定の保有台数を基盤とした「保有向けサービス」を意識した戦略を取ることが必要だ。既に2015年時点で保有向けサービスの総付加価値は1兆円規模に達し、新車販売の総付加価値を凌いでいる。特に、販売金融は外資規制こそ厳しいものの、総付加価値が大きく、日系企業にとって重視すべきサービスと言える。どのようなユーザーを取り込むかという戦略に合わせ、事業成長を狙いつつも、いかにボラティリティを低く抑え込むかを検討する必要がある。

 

領域別の打ち手と今後の展望(バリューチェーン別サービス)

個別のバリューチェーン視点に加えて、バリューチェーンが一連となり顧客接点・顧客情報をつなぐ仕組みが重要だ。組織内外へのガバナンスを効かせるため、相互にインセンティブが得られるバリューチェーンを包含したロイヤリティプログラムを企画・導入する等、顧客やバリューチェーンを束ねる仕掛けをいかに用意できるかが、保有向けサービス全体の効率性を上げるために重要となる。

 

領域別の打ち手と今後の展望 (テレマティクス・都市交通)

自動車メーカー・ディーラー・サービス業者は、新規顧客獲得だけでなく、既存顧客の再入庫促進を狙いつつある。そのため、既存顧客の情報管理、接点となるサービスの高付加価値化が不可欠だ。

また、都市部の交通渋滞が深刻さを増す中、国を挙げて解決策が検討されている。既に様々な施策が行われており、2018年には「ガントリレス」が導入予定だ。この次世代型のように、設置コストが相対的に低い都市交通ソリューションは、インドネシアをはじめとする新興国と相性が良い。その機能をいかんなく発揮する上でも、テレマティクスは重要な役割を果たす。

黎明期であるインドネシアのテレマティクス市場では、今マネタイズ・デファクト化した事業者の覇権争いが始まろうとしている。

 

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