最新動向/市場予測

現場力依存のモノづくりからの脱却

Automotive Newsletter Vol.27 (2017/10)

近年、インダストリー4.0や工場のIoT化といった新たなコンセプトや技術が、モノづくりにおいて着実に普及してきている。これらのトレンドは、これまでの変化と何が違うのか。そして日本のモノづくり、特に自動車部品産業にどのような影響を与えるのか。日本自動車部品メーカーが取るべき対応と合わせて解説する。(Automotive Newsletter Vol.27)

はじめに

インダストリー4.0や工場のIoT化など、モノづくりにおいて新たな技術が着実に普及してきている。本稿では、工程設計~生産管理~生産~品質保証といったモノづくりに焦点を当て、新たなコンセプトや技術を概説すると共に、それらのトレンドが日本の自動車部品産業に及ぼす影響と自動車部品メーカーの対応の方向性について読み解く。
 

日系自動車部品産業の強み

日本自動車部品メーカーは、従来自動車メーカーからの要求に応えるべくQ (Quality)・C (Cost)・D (Delivery)を磨き、総括すると自動車メーカーとの二人三脚で築いてきた「暗黙知に基づく現場力」が強みである。日本の自動車メーカーによる日系・海外の自動車部品メーカーに対する評価は、海外勢は技術力・提案力に優れているものの、日系に比べて融通が利かない、自社のモノづくりを理解していないという声が聞こえてくる。実際、QCDのいずれかで海外勢に負けていたといっても総合力で評価され、自動車メーカーからの取引を勝ち取ってきた。その根源が「暗黙知に基づく現場力」なのである。
 

新たなモノづくりのトレンド

モノづくりを取り巻くマクロ的変化はこれまでも常に存在してきた。PRTR制度対応や、労務費高騰に対するラインの自動化、技能伝承の仕組み。これら社会からの要請の変化に対し、日本の自動車・自動車部品産業はモノづくりを高度化し、全て乗り越えてきた。では、新たなモノづくりのトレンドは、これまでの変化と何が違うのか。そして日本のモノづくりに対して今後どのような影響を与えるのか。5M(Material、Man、Machine、Method、Measurement)に沿って紹介する。

5M(Material、Man、Machine、Method、Measurement)

日系自動車部品産業にもたらすインパクト

新たなモノづくりのトレンドに対するリスクを整理すると以下のようになる。
Q: 新素材や新工法ならではの形状の製品に対し、品質が担保できない
C: 人材の育成コストが、価格競争力を損なう
D: 属人的なオペレーションにより、生産計画の変更に対しスピーディーに対応できない
 

日系自動車部品産業の成長に向けて

新たな潮流に対応するにあたり、日本自動車部品メーカーはこれまでの強みであった二人三脚、つまり“ケイレツ”スタイルから自立が迫られている。

(1) 暗黙知から形式知への転換
(2) ケイレツ外への展開
(3) 他流試合への挑戦

日本のモノづくり再興には、自動車部品産業の競争力強化は不可欠である。
新たな時代に向け、現場力という暗黙知に依存することなく、「モノ」の生産から「モノづくり」そのもののサプライヤーとして新たな市場を切り拓いていってほしい。

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