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日系自動車部品メーカーにおけるR&D改革の方向性

Automotive Newsletter Vol.16 (2013/5)

自動車部品メーカーが対峙する新たな時代環境で求められるR&Dのあり方とは?日系自動車部品メーカーへのサーベイを通じて、今後取り組むべき課題と改革の方向性を考察した。

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2012年度R&Dサーベイ結果

長きに渡り安定的な事業環境下で成長を遂げてきた日系自動車部品メーカーは、大きな環境変化に直面しており、対処すべき経営課題は複雑化する一方である。グローバル売上高上位の部品メーカーのここ数年の業績を見ると、欧米勢の好調ぶりに比して日系勢の多くが成長性・収益性ともに大きく劣後しており、欧米勢に対して環境変化への適応に遅れを取っている傾向にある。本稿では、日系自動車部品メーカーを対象に実施したサーベイを基に、非連続的に変化する時代環境で求められるR&Dのあり方を明確にした。


自動車部品メーカーを取り巻く環境
市場グローバル化

日系自動車メーカーが新興国へ積極的に進出した結果、自動車部品メーカーも同一部品であっても市場ごとの使われ方・要求品質を把握した上でのつくり分けが求められつつあり、グローバル進出への同調が必須である。
顧客グローバル化
日系自動車部品メーカーがこれまで不得手としてきたシステム・ソリューション提案力の強化や、既存顧客と異なる開発スタイル・商習慣への適合が必要である。
技術の質的・量的変化の加速
自動車技術の進化・陳腐化が加速する中、自社のコア技術の磨きこみ、不足している技術の取り込みなどの対応力強化を図ることが必要であり、適切な技術マネジメントのための投資が不可欠である。

2012年度R&Dサーベイ結果
調査結果より、自動車部品メーカー各社は、足元の技術力・開発効率向上を果たすことを最優先事項として捉えている傾向が窺えた。一方で、各社の課題取組度からは、日系自動車メーカーとの国内でのビジネスが中心の従来型環境における勝ちパターンであったR&Dモデルが、時代の変化に追いつかなくなり縮小均衡に陥ることを示唆している。
縮小均衡サイクルを構成する3要素
1. グローバル化停滞
2. 逐次対応型開発
3. 新価値提案力不足

企業ステージに即した取組みの方向性
日系自動車部品メーカーが一連の「縮小均衡サイクル」を断ち切り、健全な成長サイクルを取り戻すためには、自社の置かれた環境・ステージに即した取組みやその優先順位を適切に選択していくことが重要である。我々は成長に直結する「グローバル化指標」、事業活動の成果を図る「営業利益率」の2軸で調査参加企業を「チャレンジ組」「橋頭堡確保組」「高収益組」「グローバル勝ち組」の4タイプに分類し、各タイプ間のギャップを可視化することで企業属性に応じた効果的な取組みを明らかにした。

メガサプライヤーに学ぶグローバル勝ち組への進路
グローバル展開性と高収益性を両立するには、自社の技術が市場・顧客をリードする環境を形成し、世界展開させていく好循環を確立することが必要である。
グローバル勝ち組サイクル
デファクト化:世界の顧客が「使わざるを得ない」製品となりグローバル展開
先回り開発:技術動向を読みつつ、自社ロードマップをルール(規制/標準)に織り込み、重点投資
ソリューション提案・ロックイン:独自技術に立脚したソリューションにより顧客を囲い込み

日系メーカーにおける組織的課題
成行きの技術力強化に留まらず、大きな方向転換が必要なタイミングにおいては、中長期的観点から事業およびR&Dのあり方を見つめ直し、一定の先行投資を戦略的に判断していくための枠組みを作る必要がある。

 

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