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自動車部品のサプライヤーが直面する変革の必要性と活路

第3回 激変する事業環境下における経営管理部門の課題と処方箋

経営管理部門の4つの顔の中から、激変する事業環境下に対応するために必要な戦略の実行を担うカタリストと徹底した効率化が求められるオペレーター、それぞれの役割に対する課題と処方箋を詳述する。

はじめに

今回はCASE/MaaSによる変化に加え、COVID-19の感染拡大により、100年に一度の変革期を迎えている自動車業界において、自動車部品サプライヤーの経営管理部門に求められる、「攻め」と「守り」の役割を解説する。

「攻め」の役割には、新規・既存事業の現状を見極め、最適なリソース配分や投資意思決定を支援するための投資管理や業績管理、各組織・個人のイノベーション創出を促進する業績評価制度が必要になる。つまりは、戦略目標達成による企業価値の向上への貢献が求められる。主にはストラテジストとしての「戦略立案への参画」、カタリストとしての「戦略実行の推進」が期待されている。

「守り」の役割は、経営の「意思(マネジメント)」と「規律(コントロール)」双方の要件を両立する仕組みの確立・運用、グローバル経理業務の標準化と組織機能配置の最適化、更にはDX推進体制の構築が必要になる。主にはスチュワードとしての「統制環境の整備」、オペレーターとしての「取引処理の実行」が期待されている。

本稿では、経営管理部門の4つの顔の中から、激変する事業環境下に対応するために必要な戦略の実行を担うカタリストと徹底した効率化が求められるオペレーター、それぞれの役割に対する課題と処方箋を詳述する。

1. サプライヤーにおける経営管理の必要性
2. 経営管理部門に期待される役割
3. カタリストの役割に対する課題と処方箋
4. オペレーターの役割に対する課題と処方箋

自動車部品のサプライヤーが直面する変革の必要性と活路(3)
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