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自動車業界におけるビッグデータ活用戦略

自動車業界におけるデジタル化の潮流を受け、顧客やバリューチェーン上のデータをいかに商品・サービス開発に活用するか。自社が置かれているデータ活用ステージとそれを支える4つ能力、各領域における成熟度を的確に把握し、競争優位性を築く戦略立案が求められる。

競争優位性を築くビッグデータ

昨今、自動車業界では急速にデジタル化が進行している。近年は『コネクテッドサービス』や『自動運転』などの新領域が注目されており、顧客やバリューチェーン上のデータをいかに商品開発やサービス提供に活用するかが、競争優位性を分ける鍵になってきている。

このような潮流を受け、デロイト トーマツ グループでは国内外自動車メーカーにおけるビッグデータ活用状況の調査・分析を行い、ビッグデータの用途を9種類に定義した。

ビッグデータ用途概要

アナリティクス・ケイパビリティ・フレームワーク

データ活用の進化ステップとして、『データ・マネジメント/ビジネス・インテリジェンス/パフォーマンス・マネジメント/アドバンスト・アナリティクス』の4つのステージを位置付けている。

 

高額な投資を行い、ビッグデータ収集・蓄積のための基盤を整備しても、蓄積データを定型的に分析するのみでは「現状改善レベル」に留まってしまい、競争優位性を確保するには至らない。洞察・先読み能力を身に付け、蓄積された膨大なデータを人の行動の変革や、ビジネス上の意思決定への活用など、更に進化させなければ「データ活用巧者」とは言えないだろう。

 

データ活用進化を下支えする能力を、『人/プロセス/テクノロジー/戦略・ガバナンス』の4つ視点から多面的に捉え、自社の課題に応じて検討・整備していくことが重要である。データ活用における特徴の一つに、「データの発生源(部門)」と「活用部門」が必ずしも一致しないことがあるが、特に日系企業の場合は部門間の壁により組織横断的なデータ共有や活用がされていないケースが散見される。この点が、データ活用の高度化に向けた重要な改善点となるだろう。

アナリティクス・ケイパビリティ・フレームワーク

アナリティクス成熟度モデル

先述の9種のビッグデータ活用領域において、全方位的にレベルアップするのは現実的ではない。日系メーカーに比べ、欧米自動車メーカーは全般的にデータ活用レベルが高度であり、特に米系は顧客経験価値強化領域、独系は生産・SCM領域に一日の長があるように見受けられる。

自社及び競合他社の成熟度を多面的角度から客観的に把握し、自社が取るべきビジネス上の差別化戦略と照らし合わせることにより、重点的に取り組むべき領域を的確に見極めることが肝要である。

 

急速にデジタル化が進む自動車業界にとって、ビッグデータ活用を血肉として付加価値に転換していくことは喫緊の課題である。欧米勢に遅れをとることなく、優先課題を正確に把握し、日系企業の底力を発揮するべきであろう。

アナリティクス活用度診断ツール