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インフラファンド

ビジネスキーワード:ファイナンシャルアドバイザリー

ファイナンシャルアドバイザリーに関する用語を分かり易く解説する「ビジネスキーワード」。本稿では「インフラファンド」について概説します。

1. インフラファンドの概要

インフラファンドとは、投資家から資金を調達し、空港、電力、道路、鉄道等の社会インフラに投資し、自らがインフラの建設や運営に携わることにより、インフラ事業からのリターン確保を目指すファンドのことである。新興国における人口増や経済成長、先進国におけるインフラの老朽化といった背景により、インフラ需要は増大しているものの、各国政府の厳しい財政事情により一般的にはインフラ投資・更新のための財源が不足しており、この財源不足を補うプレーヤーとしてインフラファンドが重要視されている。

エネルギーやクリーンテック・再生可能エネルギー等、インフラファンドの投資対象として人気が高い分野はあるものの、投資対象は図表1にあるように様々であり、投資する事業のフェーズについても対象プロジェクトの完工・初期の操業まで参画するプライマリーファンドや操業・運営段階から参画するセカンダリーファンドもあり、実に様々である。 

図表1:インフラファンドの投資対象分野

2. インフラ投資及びインフラファンドの特徴

インフラ投資の特徴として、インフラ事業は一般的に公共性及び参入障壁が高いことから競合が少なく、比較的安定したリターンを長期に見込むことができるという点があげられる。また、インフラ投資のリターンはインフレ率やGDP等の指標と連動しており、株式市場や商品市場との相関性も低いことから、代替投資の手段として考えられることも特徴としてあげられる。

このようなインフラ投資へ資金提供するインフラファンドは、上場している約40のファンドを除き流動性が低く、目標IRRは図表2の通りであり、リターンは比較的安定しているものの、PEファンドやヘッジファンドと比較して、相対的に目標とするリターンが低い投資であるといえる。このようなインフラ投資の特徴やインフラファンドの性質から、インフラファンドへの投資家は年金基金、保険会社、政府機関といった公的色が強く、長期の資金運用が可能な投資家が多くを占めている。 

図表2:インフラファンドの目標IRR

3. 非上場インフラファンド組成の状況と我が国における動向

世界における非上場のインフラファンド数は2011年6月時点で128ファンドあり、ファンド規模は平均してUS$720mmとなっている。2007年1月時点のファンド数は47ファンドであり、4年強で実に3倍の数にのぼっている。日本においては商社によるファンド組成、金融機関による海外パートナーとの共同でのファンド組成、東京都による官民連携インフラファンドの組成計画といったものがあるものの、ファンド数はまだまだ少ない状況である。特に政府系のインフラファンドについては、内閣府が官民連携インフラファンド組成を2011年度の概算要求で提出していたものの、結局予算がつかず実現していない。現在は、民主党が機構の設立とともに、インフラファンドを組成する方向で検討しているという状況である。

参考文献
・The 2011 Preqin Infrastructure Review
・加賀隆一著「国際インフラ事業の仕組みと資金調達」(中央経済社) 

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