セミナー

開催レポート:《4月21日(金)開催》ファミリービジネスセミナー(東京)

創業家におけるリーダーシップ:過去を大切にしながらビジネスを未来へリードする

2017年4月21日にデロイト トーマツ グループとノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院Center for Family EnterprisesおよびKellogg Club of Japan共催でファミリービジネスセミナー「創業家におけるリーダーシップ:過去を大切にしながらビジネスを未来へリードする」を開催し、参加予定人数の100名を上回る多くの方々にご参加いただきました。

2017年4月21日にデロイト トーマツ グループとノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院Center for Family EnterprisesおよびKellogg Club of Japan共催でファミリービジネスセミナー「創業家におけるリーダーシップ:過去を大切にしながらビジネスを未来へリードする」を六本木アカデミーヒルズにて開催しました。

当日は参加予定人数の100名を上回る多くの方々にご参加いただき、セミナー後に頂いたオーナー経営者様のアンケートでは「ファミリービジネスのリーダーシップについて、フレームワークが非常に分かり易く頭の整理が出来た」や「パネルディスカッションでの登壇者の経験談が示唆に富んでおり、学ぶことが多かった」等の有難いお声を頂戴し、盛況のうちに終了することが出来ました。

ファミリービジネスセミナー 創業家におけるリーダーシップ

東証一部上場企業の実に4割以上の企業が、創業家が株主や役員等で企業と何らかの係わりを維持するファミリービジネスです。

ファミリービジネス大国と言われる日本で現在と次世代の創業家リーダーは、ファミリービジネス特有の課題にどう向き合い、どのように挑戦していくべきなのでしょうか。

ビジネス、ファミリーおよび地域社会を代表する立場である創業家リーダーは、ファミリーとしての価値と伝統を重んじつつ、ビジネスや地域の未来を創造する使命と責任を負っています。リーダーとして未来を創造するうえでは、周囲の人々に革新的な視点を提供し、適切に動機付けしながら牽引していくことが重要である一方、ファミリーとして将来にわたり大切にしたい価値や伝統と相容れないこともしばしば起こり得ます。ビジネス、ファミリーおよび地域社会をあるべき方向へ導くための「リーダーシップ」は一意に定義されるものではないといえます。

本セミナーでは、ファミリービジネスの学術研究センターとして世界的に著名なノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院Center for Family Enterprises所長であるJustin Craig教授、日本のファミリービジネス学会の権威である奥村昭博慶應義塾大学名誉教授、創業家および企業リーダーの方々にご登壇いただき、創業家として果たすべき「リーダーシップ」のあり方についてさまざまな視点で討議いたしました。

 

ファミリービジネスセミナー 創業家におけるリーダーシップ

オープニング

慶応義塾大学 名誉教授 奥村 昭博氏

オープニングスピーチとして、奥村教授に今回のセミナーの主旨・全体像の紹介をしていただきました。

昨今のファミリービジネスにおいて頻発する問題に触れながら、事業の永続性を保つためには経営陣と創業家との対立を回避する必要があり、会社または創業家のリーダーが身に着けるリーダーシップの源泉は何か、創業家はどのような存在であれば良いのか等の問題提起をされ、次の講演・パネルディスカッションへ繋いていただきました。

 

ファミリービジネスセミナー 創業家におけるリーダーシップ

基調講演

ノースウエスタン大学 ケロッグ経営大学院 Craig教授氏

Craig教授が過去25年間にわたって世界中の成功したファミリービジネスを観測・検証した結果得られた知見、および今後ファミリービジネスを牽引する立場のリーダーに必要なスキルや考え方を、分かりやすくフレームワーク化して提案してくださいました。

講義内容の概略として次の紹介をしていただきました。

始めに、ファミリービジネスとノンファミリービジネスでの運営上の違いについて3つの構成要素「3サークル(創業家一族、オーナー、経営者)」を用いて解説され、それと同時にそれぞれの多面的な立場による運営とそこから全体に波及するトリレンマについて、またそれらをコントロールすることの難しさと重要性について解説されました。

具体的に3つの立場のトリレンマを解決する方法として、いくつかの事例も紹介していただきました。

次にファミリービジネスとノンファミリービジネスの違いを前述の3つの構成要素とは別の視点(組織構成、ガバナンス、起業家精神、スチュワードシップ)で解説し、そこと対比させる形でファミリービジネスのリーダーとして必要な資質を、マインドセット(考え方)とスキルセット(能力、技術)に分けて、理由と共に解説されました。

そして、選ばれたリーダーがいかにして学びの過程を経ていくべきなのか、先代のリーダーはいかにして次世代のリーダーへバトンを受け渡していくべきなのかを4L(4つの学びのプロセス:ビジネスを学ぶ→ファミリービジネスを学ぶ→リーダーとしてのあり方を学ぶ→引退の仕方を学ぶ)と4R(4つの要素、役割・要件・責任・報酬)のフレームを用いて解説されました。

最後に、前述の3つの要素のトリレンマを注意深く管理し対立を回避することが「事業の継続性」には不可欠で、さらにファミリービジネスの強みを生かしてイノベーションを起こす原動力となるとし、その方法について「ガバナンス」と「スチュワードシップ」について再度触れながらこれらを用いていかにしてリーダーとしてファミリービジネスの舵をうまくとっていくかを解説されました。

 

ファミリービジネスセミナー 創業家におけるリーダーシップ

パネルディスカッション

パネルディスカッションでは、奥村教授をファシリテーターに、ソニーの成長期に勤務し、創業家を支えてこられたソニー株式会社 社友 元専務の青木様、福井県で400年続く酒蔵・酒屋の後継者として事業を承継し、環境が変わっていく中で生き残りをかけて業態改革を推し進めてきた大津屋の小川社長、福岡県で老舗百貨店を展開してきた株式会社岩田屋(現:㈱岩田屋三越)の元代表取締役の中牟田様のお三方を交え、創業家の後継者としての苦悩と革新、リーダーシップについて、Craig教授の講演内容に一部触れながら熱く語っていただきました。

 

懇親会

セミナー後には懇親会が行われました。

普段だと他人には話しにくいファミリービジネス特有の悩みも、セミナー参加者で同じ立場同士で共有出来たこともあり、非常に盛り上がりました。

最後にCraig教授および奥村教授から参加者にファミリービジネス関連書籍のプレゼントもいただきました。

セミナー事務局よりメッセージ

一般的にファミリービジネスには好業績な企業が多く、とりわけ日本は創業年数が長い「長寿企業」が多いという点では世界一と言われており、近年多くの研究者や実務家の間で日本のファミリービジネスに対する注目度が高まっています。
好業績になる理由として、ファミリービジネスは社長の任期がファミリービジネスでない企業と比べて圧倒的に長く(20年ともいわれる)、長期的な視点で成長戦略を描けることや、親から承継したものを何とか良い形で次世代に残したいという強い思い等が一般的に挙げられていますが、反対にこれらの要素が短所になることもあります。家族間の軋轢や創業家と経営陣との運営方針に関する対立を発端とし、組織全体・経営自体に悪影響を及ぼすケースが増えてきています。
ここで大事なことは、企業の存続・成長にかかわる「対立」をいかに乗り越え、好業績かつ長寿のファミリービジネスにいかに進化していくかということです。そのための鍵となるのは、共通の悩みを抱えるファミリービジネスの仲間とディスカッションをしたり、先人の工夫から示唆を得てそれらを実践の場へ生かしていくことではないでしょうか。

デロイト トーマツ グループはファミリービジネス経営者の方々に常に寄り添いながら、次世代へ歴史のタスキを着実に渡すために今何をなすべきかを共に考える存在でありたいと考えています。

今後もこのようなセミナー等を通してファミリービジネスの未来形成のお役に立てるように情報発信を続けて行きます。

当日のセミナー内容について詳しく知りたい方

当日のセミナー内容について詳しく知りたいという方は下記よりお問い合わせください。
セミナーにて使用したレジュメを使って、講義内容について解説させていただきます。

また、セミナー内容以外にもデロイト トーマツ グループのファミリービジネス関連の取り組みにご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

デロイト トーマツ グループは全国のファミリービジネスのクライアント企業に対して、相続対策はもちろんのこと、経営承継には不可欠な中長期経営計画策定、次世代幹部の育成、ガバナンス構築支援など幅広く対応しています。

セミナーに関するお問合せはこちら
 関連情報

 名門MBA校、米ケロッグは同族経営をどう教えるか(日経新聞ウェブ版)
 ※外部サイトにリンクします。

関連サービス

M&Aアドバイザリー

 経営承継支援

関連トピック