アジア版コスト削減の実態と今後の展望 2017

調査レポート

アジア版コスト削減の実態と今後の展望 2017

2017 APAC Cost Survey Report

アジア主要国の多国籍企業299社の経営層に対して実施した、コスト削減に関する調査結果をまとめた「APAC コストサーベイ 2017年版」を通じて、アジアや日本企業が抱えるコスト削減における課題意識と解決アプローチ、最新トレンドを紹介します。

「APAC コストサーベイ 2017年版」概要

調査概要

「APAC コストサーベイ」は、コスト削減の実態・トレンド把握を目的に、デロイトグローバルが実施しているサーベイです。

2017年版では、コスト削減における課題意識と解決アプローチ、最新トレンドに関して、アジア経済の大半を占める、日本、中国、香港、シンガポール、インド、オーストラリアの多国籍企業約300社の経営層から、回答を得ました。

 

調査結果概要

アジア太平洋地域では、政治経済面のマクロな不確実性が高まる一方で、更なる経済成長が期待されています。調査結果では、各企業が「市場競争力の獲得」、「成長分野への必要投資」など成長志向の観点からコスト削減に取り組むことで積極的に成長を追い求める傍ら、不確実性が高まる将来に備えて堅実なコスト削減に取り組んでいることを示唆しています。各企業は、「売上拡大」、「製品収益性向上」、「コスト削減」を戦略的優先事項に据え、これらを組み合わせた「成長のためのコスト削減(Saving to grow)」を志向しています。

日本企業における調査結果

本サーベイのうち、日本企業の回答結果から、日本企業における3種類の特徴が明らかとなりました。

 

コスト削減の目標値が低いにも関わらず、目標未達になる傾向が高い

  • 調査に回答した日本企業のうち、94%の企業がコスト削減の目標値を20%以下に設定しており、全回答企業の平均から乖離している(目標値20%以下の全体平均:79%)【図1】
  • 調査に回答した日本企業のうち、77%の企業が目標未達となっており、全回答企業の平均から乖離している(目標未達の全体平均:70%)【図2】
  • APAC全体と比較すると、目標値、達成度のいずれもが平均を下回っている
図1:コスト削減目標、図2:コスト削減結果
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部門・機能単位でコスト削減に注力しており、全社単位での取組みには消極的である

  • 調査に回答した日本企業のうち、50%の企業が部門・機能単位でコスト削減に注力している
  • 調査に回答した日本企業のうち、33%の企業が全社単位でコスト削減に注力している
図3:日本企業の過去24ヶ月のコスト削減取組み領域
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コスト削減の目的が不明瞭で、従業員からの理解が得られていない

  • 調査に回答した日本企業のうち、43%が意義・目的の未浸透・不明確さを課題と回答している
  • コスト削減の実施にあたり、従業員の意識改革やそもそものコスト削減への理解を得ることが難しいと多くの企業が回答している
図4:コスト削減阻害要因
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日本企業が抱えるコスト削減の課題と、解決アプローチ

日本企業に関する調査結果は、日本企業がコスト削減に対して3種類の課題を抱えていることを示唆しています。


明確で高い削減目標の設定不足

コスト構造に基づいて全社単位で“何を基準に”、“どの費用を”、“どれだけ削減するか”の指針がない/浸透していない

全社単位での横断的な削減施策の計画不足

コスト削減の取組みを各部門に任せ、部門・機能を横断した全社単位での削減施策の全体像を描き切れていない

取り組み全体を推進する人材不足

ノウハウ・専門性を武器に取り組み全体をリードし、俯瞰的に業務の集約化・標準化・IT化などによるコスト削減を推進するリーダー人材が不足している


成功裏でのコスト削減には、部門・機能に限定した個別検討ではなく、全社単位で筋肉質化を目指すべく、6種類のレバーを動かすことが肝要だと考えています。詳細な説明はStrategic Cost Transformationのサービスページをご覧ください。

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