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コントラクトパーソネル(CP)サービス事例6

実例にみるWithコロナ時代のリモートワークのための業務改善とコミュニケーション

新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言などの影響でテレワークを導入する企業が急増しました。デロイト トーマツ タレントプラットフォーム株式会社(DTTP)のコントラクトパーソネル(CP)サービスでリモートで日常経理業務と決算業務支援および改善を行った事例を紹介します。

6. リモートワークのための業務改善とコミュニケーション

リモートワークの環境下では、従来の手法による業務管理やチーム仕事、対面での頻繁なコミュニケーション、部下の指導といったものは困難となります。マネジメントはタイムリーで適切なタスクの振り分けや指導・相談・報告システムの構築、オンラインミーティングの効果的運営などが重要になるとともに、自律的に仕事を進めることができる人材、また業務を任せられる専門性を持った人材が必要となります。

ここではDTTPのコントラクトパーソネルであるプロフェッショナルを有効に活用、職務代行者として、また業務を見直しタスク中心にプロセスを再構築、そしてリモートワークにあったコミュニケーション方法の確立をした企業の事例を紹介します。

6.1 財務経理マネジャー職務の代行: 100%リモートワークでの対応

【経緯/状況】

クライアントは小売業。コロナ禍での緊急事態宣言発令直後に財務経理マネジャーとスタッフが退職。月次経理業務、年度末決算業務、税務申告関連業務に加え、親会社へのレポーティングの遂行が急務であったが、全ての業務においてリモートワークでの対応が必要とされた。さらに、新たに入社したメンバー2名は入社後1週間程度かつ業界未経験の状況であり、当社に財務経理マネジャー職務代行の依頼があった。

【当社の対応】

小売業の実務経験も持つ公認会計士を担当者として配員。入社後間もないチームメンバーをトレーニングしながら100%リモートワークで月次決算、年度末決算業務を遂行。タイトなスケジュールの中で期中経理処理の確認・修正、業務プロセスの効率化・再構築を行うとともに決算業務・親会社へのレポーティングを実施。さらに、年度末決算業務完了後、後任の財務経理マネジャーへの引継ぎを行った。

【担当者からのひと言】

コロナ禍以前から日常的にリモートワークによる業務を経験していたことから、リモート業務はスムーズに進めることができたが、実施にあたっては以下を留意した。

  • メールの数が多くなりがちなため、標題・本文の内容は明瞭簡潔に記載し、キャッチボールの数を少なくする
  • エクセルなどで作成した資料は、なるべく口頭での説明が不要なレベルまで明瞭な形で作成する
  • Web会議ツールをいつでもどこでも使えるように準備しておく
  • 緊急度・重要度に応じて、メール・電話・チャット・Web会議ツールの使い分け・組み合わせを工夫しながら業務を進める
  • 議題の緊急度・重要度に応じて、Web会議ツールの参加者を考慮する。エスカレ―ションが必要な案件については上位者を巻き込んで会議を設定する
  • コミュニケーションをとる相手の勤務可能な時間帯について留意しながら日々のスケジューリングを行う
  • 日次・週次ベースで決まった時間帯に、報告・情報共有のためのタッチベースの時間を設定する
【担当者プロフィール】

大手監査法人を経て、東証一部上場会社、外資系企業にて経理業務やマネジャーとしての経験を積む。日本の会計・税務だけでなく、IFRS(国際会計基準)やUS-GAAP(米国会計基準)にもとづく海外の子会社管理、および海外の親会社へのレポーティング、PMI(買収後の統合作業)なども扱う。数多くの会計システムのユーザーでもあり、導入プロジェクトにも関与。公認会計士。

6.2 日常経理業務の支援と業務改善: オンラインミーティングでファシリテーターとして業務を再構築

【経緯/状況】

クライアントは金融業。マネジャーの退職、コロナ禍での採用活動の鈍化やリモート業務へのシフト等が重なり、社内における財務諸表作成、月次レポートなどの経験者が不足、部門業務に支障をきたす状況となったため、日常業務の支援と業務改善のため当社に暫定マネジャーおよびメンバーの2名のプロフェッショナルの派遣の依頼があった。

【当社の対応】

一部電子化できていない書類や処理等に関しては、出社とリモートの両面での対応が必要であったが、Web会議アプリ等を使い、国内外の関係会社より月次で報告を受け、決算財務データの分析および検証、そして関係各社へフィードバックを行うなど、日常業務を支援。また、オンラインにて横断的な定例ミーティングを開催、非効率な業務や特定の少数メンバーのみが理解しているような業務、リモート化の障害となっている業務を明らかにし、現状の月次連結業務の質・レベルに対する評価をまとめ、問題点の改善の提案をしたうえで、標準手続きを構築しマニュアルを作成、知識の共有化を図り、後任者へ業務の引継ぎを行った。

【担当者からのひと言】

マネジメントと実務担当者をつなぐマネジャーが不在であったこともあり、両者が把握している情報レベルにギャップが存在していた。当社担当者が暫定マネジャーとして、両者からヒアリングし、業務の現状把握、To-Beモデルの構築、ギャップ分析等を取りまとめていった。オンラインミーティングでは「発言しづらい」、「意図を伝えるのが難しい」等の問題が起こりがちであるため、発言や議論を整理し、状況を可視化するなどファシリテーションが益々重要となるが、社内の利害関係がない中立的な立場であったこともあり、ミーティング中はファシリテーターの役割に徹し有効に機能できた。

【担当者プロフィール】

(暫定マネジャー担当)アウトソーシング会社、税理士法人等で、会計、税務、給与計算、社会保険手続、オンサイトのアウトソーシングサービスを提供する経験を有す。(メンバー)金融機関を中心に財務会計の豊富な経験を有す。

6.3 決算業務支援: 毎日の小規模・短時間のオンラインミーティングで情報を共有

【経緯/状況】

クライアントは東証一部上場製造業。コロナ前に1名退社し業務がひっ迫しているところに、コロナ後にさらに1名退社。決算業務直前期であったこともあり、採用をする時間的猶予もないため、当社に決算業務のための補充人員の依頼があった。

【当社の対応】

事業部からの資料の取りまとめ、子会社からの情報収集をして決算に必要な資料の作成を担当。メンバーとの十分な信頼関係を築く前にリモート業務が開始されてしまったため、チーム全体でのオンラインミーティングとは別に業務の直接の関係者で進捗や問題点の共有など状況をアップデートするために小規模のオンラインミーティングを毎日30分程度実施。書類や業務の承認プロセスについても、どのように行えばオンラインで網羅性・透明性を担保しながら進められるかの話し合いを行い、ペーパーレス化を促進した。

【担当者からのひと言】

リモートの環境下であったため、クライアントのメンバーの一員としてコミュニケーションを重視し、いち早くクライアントの状況を把握、クライアント先のツールを使いこなし、自律的に動くことを心がけた。また、出社が必要な業務を行う際には、他のスタッフの出社が必要となるタスクもあわせて遂行するなど、効率性を意識して対応した。

【担当者プロフィール】

監査法人、税理士法人を経て、クライアント常駐型のサービスを行うコンサルティング会社にて日系企業から外資系まで多数のプロジェクトを経験。税理士。

6.4 業務プロセス改善: 業務の見える化とリモートワーク下での効率化を推進

【経緯/状況】

従業員約300名の外資系メーカーで、経理部門に10名程度が従事。コロナ前に経理部門のリーダーが転職したため、一部の業務プロセスに関して、「なぜそのような業務を行うのか」の部分が不明確な状態に陥っていた。コロナ禍でリモートワークを行うこととなり、誰がどのような業務を行っているのかがますます見えにくくなったため、リモートワーク下での業務の整理と効率化が必要と判断。本プロジェクトを推進できるリーダー人材の採用を検討し面接を実施したものの経験値の低いリモートワーク環境下で機能するかどうかは未知数であり、採用することのリスクを考え、当社に依頼。

【当社の対応】

各業務担当者からヒアリングを行うとともに、過去の資料を調査し、目的と概要を明示したプロセスマップにまとめ、業務の見える化を実現した。また、郵送されてくる紙のベンダー請求書の情報をERPシステムに入力する処理を行っていたため、リモートワークの状況下でも請求書を開封するため頻繁に出社する必要があり、非常に非効率な状態であったため、ベンダーにPDF化を依頼、emailでの送付に切り替え、リモートワークで対応できるようにした。今後引き続きERPの在庫管理機能、固定資産管理機能などを有効利用し、リモートワークに合った業務効率化を推進していくこととしている。

【担当者からのひと言】

自身のリモートワークの経験、そしてコンサルティングと実務者としての多数のプロジェクト経験を活かし、またERPと会計の専門的知識をフルに活用して対応した。リモートワークの状況で生じるコミュニケーション不足の解消のため、オンラインランチミーティングやオンライン忘年会等の開催などを実施した。

【担当者プロフィール】

大手メーカーにて生産管理、Supply Chain Management構築に従事。また、Big 4にて業務改善コンサル、内部統制、IFRS導入コンサルを経験。さらに外資系企業、国内ベンチャー企業などでController、Finance Managerを経験後、デロイトトーマツ入社。税理士、米国公認会計士。

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