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SDGsの達成に向けた大学・高等教育の貢献の可能性

Education Report

ESG投資をはじめ、事業を通じたSDGsへの貢献が企業評価の指標の一つとなるなど、SDGsをめぐり急速に変化する潮流を無視できなくなっています。この潮流は大学をはじめとした高等教育機関においても同様にみられ、大学にとってもSDGsへの取り組みが重要となっていることが伺えます。本レポートでは、社会経済的な背景を踏まえ、SDGsの達成に向けた教育研究機関としての大学の貢献の可能性について考察します。

1. はじめに

2017年11月、日本経済団体連合会は、新たな企業行動憲章を発表した。7年ぶりとなる今回の改訂では、「Society 5.0 の実現を通じたSDGs(Sustainable Development Goals : 持続可能な開発目標)の達成」が柱として掲げられた。ESG投資(Environment、Social、Governance)の3要素を元に、優れた経営を行っている会社に投資すること)をはじめ、事業を通じたSDGsへの貢献が企業評価の指標の一つとなるなど、企業側も、SDGsをめぐり、急速に変化する国内外の潮流を無視できなくなっている。持続可能な発展を目指す経営トップ主導型のネットワークであるグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)は、240以上の企業や団体が加入し、ベスト・プラクティスの共有をはじめとする活動を行っている。GCNJの会員の約75%が大企業であり、業種別では製造業が主であるものの、会員の中には筑波大学や上智大学をはじめとする教育研究機関も含まれており、大学にとっても、SDGsへの取り組みが重要な課題となっていることが窺える。本レポートでは、こうした社会経済的な背景を踏まえ、SDGsの達成および持続可能な社会の実現に向けて、教育研究機関としての大学の貢献の可能性について考察を行う。

(PDF, 747KB)

2. 大学におけるSDGsの取り組み

SDGsへの貢献が社会的要請とされる昨今、教育研究機関としての大学は、どのような形での貢献が可能か。その答えは、大きく2点ある。1点目は、研究機関として、最先端の研究をすすめ、イノベーションや新たな価値の創出を行い、研究成果を社会へ還元し、SDGsの達成に繋げること、そして、2点目は、教育機関として、持続可能な社会のシステムを創り上げ、その社会システムを動かしていく、持続可能な社会に生きるための専門的な知識とマインドを持った人材の創出を行うことである。これらの2つを通じて、大学はSDGsの達成に貢献することが可能である。

3. 持続可能な社会の実現と教育機関としての大学

それでは、大学はどのようにして、教育機関として、SDGsの達成に貢献することが可能か。すでに述べたように持続可能な社会の担い手を育成することを目指し、大学教育における可能性を検討するにあたっては、UNESCOが1992年から取り組んでいる持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development : ESD)の考え方や知見を参考にすることができる。ESDは日本では主に文部科学省を通じて小・中・高で推進されてきた。学校現場からは、学校の特性から教科横断的な指導計画を立てることが難しいことや、学際的で専門的な知識が必要となるため、教員の側の研究や指導能力が不足して教材を生かしきれないなどの課題が挙げられている。しかし、大学では研究機関としての専門性や、カリキュラム編成の自由度の高さから、これらの課題を総合的に解決し、より高度な次元での教育を提供できる可能性がある。学生自身が身近な課題を見つけ、それを解決するための具体的な方法を考え、周囲を巻き込みながら解決するという課題解決型の教育機会の提供を通じて、大学は、持続可能な社会のシステムを創り上げ、その社会システムを動かしていく、持続可能な社会に生きるための専門的な知識とマインドを持った人材の育成を行うことが可能であり、そのことを通じて、SDGsの達成に貢献することができる。

続きは『Education Report SDGsの達成に向けた大学・高等教育の貢献の可能性』(PDF)をご覧ください。

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