事例紹介

デロイト トーマツ 教育×ヘルスケアセクター

学校法人獨協学園様 幹部向け合宿研修「経営分析グループワーク」

私どもデロイト トーマツではユニークなアドバイザリーサービスを提供しています。その中の一つのメニューとして、幹部職員を対象に高度な問題解決スキルの習得と組織全体のポテンシャルを引き出す特別なグループワークを行っています。

私立大学がおかれた現在の経営環境

現在我が国では人口減少局面に入り他国に類を見ない高齢化と生産年齢人口の減少という人口オーナス期に突入しています。また、人々の都市部回帰と過疎化の進展も相まって、ひと・まち・仕事の地域偏在は加速しており、戦後誰も経験してこなかった社会環境に遭遇しています。

このような中において、私立大学ではこれまで長年に渡り、国(文部科学省)や自治体、地域住民の高等教育ニーズに相応しい経営を行ってきており、数多くの学生や教育・研究者を社会に輩出し社会貢献してきました。

しかし、現在直面する社会構造の変容はこれまでとは大きく異なる深刻なものであることから、瞬間的に立ち止まってでも、大学自身の客観的な現在位置の確認と、将来あるべき姿や大学組織の経営手法について再点検する「きっかけ」が必要です。

私立大学の未来に何が必要とされるのか

私立大学はこれまでも時代のダイナミックな変動に的確に順応し経営リスクを事前に回避するために、中長期計画策定と軌道修正を図り経営のかじ取りを行ってきましたが、その中でも特に意識の高い私立大学経営執行部においては、建学の精神を踏まえつつグループのアセット(先端の教育研究施設等ハード資産×歴史×卒業生ネットワーク×知名度・ブランド等のソフト資産)をいかにして全体最適化するか、日々知恵を絞り、様々な取り組みに挑戦しています。「独自の確固たる」ビジョンに基づく戦略的な中長期計画の実現は私立大学の未来への勝ち残りに不可欠なのです。

私立大学のブランド再構築に向けた1st Step

こうした大学の取り組みを万全にサポートするために、私どもデロイト トーマツではユニークなアドバイザリーサービスを提供しています。その中の一つのメニューとして、幹部職員を対象に高度な問題解決スキルの習得と組織全体のポテンシャルを引き出す特別なグループワークを行っています。以下、事例をご報告します。

グループワークの事例

学校法人 獨協学園様の幹部向け合宿研修

今般デロイト トーマツでは、学校法人獨協学園(以下「学園」)の本部様のご依頼により平成29年8月29日・30日に「経営分析グループワーク」を2日間の合宿形式でご支援いたしました。

参加者は学園の傘下である、獨協大学、獨協医科大学、姫路獨協大学、獨協中学・高等学校、獨協埼玉中学高等学校、獨協医科大学病院、獨協医科大学越谷病院、獨協医科大学日光医療センターといった教育・医療それぞれの部門の事務局長を中心とした各部門職員のトップ等でした。

ファシリテーターにはデロイト トーマツ 教育セクター及びヘルスケアセクターのマネジャー陣が協力して実施しました。

ディスカッション風景1
ディスカッション風景1

複数の大学・病院を有し、大規模な学校法人である学園にとって、今回の教育事業と医療事業のメンバーが一堂に会して議論する研修は初の試みであることから、各部門の事業を見極めることを今回の研修の目標とせず、それぞれの部門担当者が経営分析の一手法を体験することで、その手法をそれぞれの学校・病院に持ち帰っていただく研修として位置づけました。

また、平成29年度から文科省通知「大学設置基準等の一部を改正する省令の公布について(通知)」の適用により、職員が大学等の運営に必要な知識・技能を身に着け、能力・資質を向上させるための研修を設けることが求められています。いわゆるSD(Staff Developmentスタッフ・ディベロップメントの略)の義務化の流れの中に沿った取り組みともいえます。

当初、学園本部様は、2日間の合宿という長丁場の研修で、独自性を重んじる中、特定の手法を提示することに不安があったようです。同様に、参加者の皆様も、一体何が行われるのだろうかと、冒頭の寺野理事長のご挨拶が始まるまでは、ご不安だったようです。

しかし、そのような不安も我々ファシリテーターがグループワークのプログラムの口火を切ると同時に解消されたようです。各部門の事務職員のトップ自ら参加している研修であることからか、大変積極的なディスカッションがなされました。以下、実際に作業した資料等をご紹介します。

ディスカッション風景2
ディスカッション風景2

SWOT分析とクロス分析

今回の合宿ではSWOT分析を中心に作業を進めていただきましたので、考え方を事前レクチャーいたしました。

【SWOT分析とクロス分析の進め方①】

建学の精神、理念、ビジョン再確認の重要性(図)
※クリックで拡大画像を表示

【SWOT分析とクロス分析の進め方②】

所属法人の現状分析(図)
※クリックで拡大画像を表示

外部環境を教育事業と医療事業ごとに分析・整理し、強み弱みの内部環境分析ではヒト・モノ・カネ・情報の要素で整理しました。

【成果物①SWOT分析】

SWOT分析

グループ内の連携強化の方向性

SWOT分析・クロス分析の結果、教育×医療の各事業同士が連携することで「獨協ブランド」を生かせる可能性があることで意見が一致しました。そこで、それぞれの法人設置校同士がどのような連携がありうるのか、マトリックスで整理しました。

【成果物②各事業間の期待役割マトリックス】

各事業間の期待役割マトリックス

クライアント様のご感想

学園本部様より「当初目的である経営分析手法を体験的に学ぶことができたのは収穫だった」「しかし、最大の収穫は、参加者が『獨協愛』をもって取り組まなければならないといった、学園に対する帰属意識のさらなる向上(意識改革)を示す発言が見られたこと」とのご感想がありました。参加者からは「アットホームなグループワークでした」「継続して開催したい」「若手職員に参加させてみたい」「自病院の経営改善の掘下げに活用したい」といった前向きなご意見が聞かれました。今後の学園での取組みが大変期待されるところです。

学校法人 獨協学園について

学校法人 獨協学園は、人文科学・社会科学・自然科学の分野において、それぞれ特化し専門化した領域を有する3 大学(獨協大学、獨協医科大学―附属3病院と2看護専門学校を有している―、姫路獨協大学)、2中学・高等学校(獨協中学・高等学校、獨協埼玉中学高等学校)から構成される総合的な学園です。「大学は、学問を通じての人間形成の場である(天野貞祐獨協大学初代学長)」という共通の教育理念を持ち、「各校の自主性、独自性を尊重しつつ、一つの法人として整合性をもって経営する」との経営方針のもと、各校が独自に運営されています。

少子化等による18 歳人口の減少、国際情勢などの影響により、私立大学等を取り巻く経営環境は年々厳しさを増しています。学園では、教育・研究・医療を通じて地域社会に貢献していく中で、社会の変化に対応し、より強固な経済基盤を確立することで、学校間競争に勝ち残っていく必要があることから、学園及び各校が連携し、中長期計画としての「獨協学園基本計画」を平成10 年より策定し、2 年ごとに見直しを実施し、安定経営を目指しています。

デロイト トーマツ 教育×ヘルスケアセクター

デロイト トーマツ 教育セクターでは、大学のSWOT分析の実施支援に限らず、様々な経営等に関する課題解決に関する支援業務を提供しております。ご興味のある方はご遠慮なくお問合せください。

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医療機関等及びヘルスケア関連企業向けの経営コンサルティング、研修ファシリテーションは、有限責任監査法人トーマツ ヘルスケアアドバイザリーまでお問合せください。

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