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学校法人会計基準改正の概要
適用が迫った新基準の概要を解説します。
平成27年度から改正学校法人会計基準(知事所轄法人は平成28年度から)が適用されます。改正基準では、基本金の考え方や消費収支の均衡という基本的な考え方は変わりませんが、学校法人の作成する計算書類等の内容がより一般にわかりやすく、かつ的確に学校法人の経営状態を把握できるものとなるよう改善・充実が図られています。
学校法人会計基準改正の経緯
1.基準改正の趣旨
学校法人会計基準が平成25年5月に改正され、文部科学大臣所轄法人(大学、短大、高専等)は平成27年度から適用されます。(知事所轄法人は28年度から)今回の改正は学校法人を取り巻く環境変化に対応して以下の趣旨で行われたものです。
(1)私立学校の特性を踏まえ、その財政基盤の安定を図り、私学助成を受ける学校法人が適正な会計処理を行うための、統一的な会計処理の基準としての学校法人会計基準の仕組みは引き続き維持する。
(2)学校法人の作成する計算書類等の内容がより一般にわかりやすく、かつ的確に学校法人の経営状態を把握できるものとなるよう、以下のように改善・充実を図る。
・社会から一層求められている説明責任を的確に果たすことができるものとする。
・学校法人の適切な経営判断に一層資するものとする。
2.基準改正の概要
今回の改正の主なポイントは以下のとおりです。
1) 現行の資金収支計算書について新たに活動区分ごとの資金の流れがわかる「活動区分資金収支計算書」を作成する。
2) 従前の「消費収支計算書」を「事業活動収支計算書」に名称変更する。
3) 事業活動収支計算書では、教育活動収支差額、経常収支差額、基本金組入前当年度収支差額等の収支差額が表示される。
4) 貸借対照表について「基本金の部」と「消費収支差額の部」を合わせて「純資産の部」とする。
5) 第4号基本金について、その金額に相当する資金を年度末時点で有していない場合には、その旨と対応策を注記する。
3.平成25年9月2日に文部科学省から発出された通知のポイント
今回の基準改正に関連して、平成25年9月2日に文部科学省から2本の通知が発出されています。主な内容は以下のとおりです。
1) 事業活動収支計算書、活動区分資金収支計算書の区分等の定義
2) 固定資産の有姿除却等損失の計上
3) 有価証券の評価換えに関する取扱
4) 学校法人間取引、有価証券の時価情報における明細表等の新たに必要となった注記
5) 第4号基本金の取崩の取扱