お知らせ

大学経営を支援するマネジメントセミナー開催報告

私立学校法の改正、中期的な計画の策定推進、ガバナンスの強化について

2019年9月2日、今年も有限責任監査法人トーマツ主催の「大学経営を支援するマネジメントセミナー」を開催しました。2019年5月に2004年以来の大改正が成立した私立学校法をテーマに、第1部では文部科学省高等教育局私学部参事官付私学経営支援企画室長の横田氏にご登壇頂き、2020年4月1日の法施行前に学校法人が取り組むべきポイントを解説頂いた他、第2部では当法人の奥谷が公認会計士の立場から、学校法人の経営に活きる中期的な計画の策定やガバナンス強化のための具体的手法を解説しました。

【第1部】「私立大学を取り巻く諸課題と改正私立学校法のポイント解説」

第1部は、文部科学省高等教育局私学部参事官付私学経営支援企画室長の横田氏より「数字でみる私立大学の最新状況」「入学者数等に影響のある政策(私学助成における定員管理の適正化、及び高等教育の無償化について)」「高等教育の目指すべき方向性(2040年に向けた高等教育のグランドデザイン)」「私立学校法の改正」「学校法人運営調査における経営指導の充実」についてご講演頂きました。

私立大学の経営支援に携わっておられる横田氏ならではの視点で、私立大学の実状と展望、それに対応する政策や私立学校法改正の趣旨を分かりやすく解説頂きました。特に、私立学校法の施行通知の記載や解釈、寄附行為作成例の改正の方向性にも触れながらご説明頂けたことは大変有意義でした。2020年4月1日の法施行前に学校法人が検討しておくべき事項をリストアップしてご説明頂くなど、実務的に役立つ内容も多く、質疑応答含め、セミナーでしか聞くことのできない貴重なご講演を頂きました。

Seminar Repports
セミナー風景①

【第2部】中長期計画の策定の推進とガバナンス強化のための具体的な方策

第2部は、有限責任監査法人トーマツの奥谷が、私立学校法の改正で文部科学省所轄学校法人に義務付けられた中期的な計画の策定やガバナンスの強化、情報公開の強化のための具体的な方策について、経営に係る課題解決に長年関わってきた公認会計士の立場から講演を行いました。
前半は中期的な計画について、策定するだけでなくその実効性を高める仕組み、モニタリングする仕組みの構築が必要であることを強調し、課題の整理・分析、リスクマネジメント、業務改革、KGI・KPI設定などの視点ごとに具体的な方策を紹介しました。後半は、ガバナンス強化への取組方法について、イメージを交えて複数のアプローチを紹介しました。また、情報公開の強化について、「統合報告書」の作成事例を紹介しました。

Seminnar Reports
セミナー風景②



多くの私立大学等の役員、経営企画・財務等をご担当する部課長にご参加頂き、定員管理の適正化、高等教育の無償化などに関する質疑応答も活発になされ、私立学校法改正の最新情報を共有する充実した時間となりました。