調査レポート

アジア太平洋地域安全保障Outlook 2016

Defense in Four Domains

アジア経済の成長に伴い、太平洋とインド洋の商業輸送は拡大し、同地域の海軍はこの経済的ライフラインを守るため、軍備を増強しています。アジア太平洋安全保障Outlook 2016では、アジア太平洋地域20か国の防衛・安全保障に係る環境・政策動向等を基に、この経済ライフラインに関連する課題を取り上げています。

アジア太平洋安全地域保障Outlook 2016概要

(*レポートは英語版のみとなります)

  • “Cyber Five” – 韓国、オーストラリア、ニュージーランド、日本、シンガポールは、他のアジア諸国に比べサイバー攻撃に対する脆弱性は9倍高い。
  • アジア太平洋地域のコンテナ取扱量は、世界の50%以上を占める。これに伴い、海軍予算は、2020年までに60%増加することが予測されている。中国は、30隻の新しい潜水艦と1隻の空母を建造する予定。
  • 2010年から2014年で、世界の海賊事案は45%減少したが、アジア太平洋地域では30%近く増加した。

 

アジア太平洋地域の武力紛争は、1985年から2000年と2001年から2014年を比較すると、30%減少した。しかしながら、アジア太平洋諸国の安全保障上の課題は、海上の安全保障とサイバー攻撃という、新たな問題にシフトしている。

アジア太平洋地域全体の安全保障・防衛課題の焦点は、世界のコンテナ取扱量の半数以上が同地域を占めることである。同地域の海軍はこの経済的ライフラインを守るために軍備を増強している。海軍予算は、これに伴い2020年までに60%増加すると予測されている。中国は、30隻の潜水艦と1隻の空母を新たに建造する予定である。

世界の海賊事案は2010年から2014年で45%減少したが、経済成長著しいアジア太平洋地域においては、約30%増加した。中国海軍は、アデン湾に16,000名以上の海兵隊員と30隻以上の水上艦を海賊行為への対処と護衛のために配備している。

経済成長の中、海軍の増強は、特に韓国、オーストラリア、ニュージーランド、日本、シンガポールの先進国において、サイバー攻撃に対する新たな脆弱性を生み出した。

上記5か国のアジア太平洋地域の“Cyber Five”――“Cyber Five”は、インターネットをベースとしたインタラクションに最も依存している国である。アジアの急速な経済発展は、市民、企業(ビジネス)、政府機関のインターネット依存を招き、サイバー攻撃に対する新たなリスクと脆弱性を生んでいる。

しかしながら、インターネットの影響はアジア太平洋諸国に一様ではない。アジア新興国のサイバー環境は、安全保障政策立案者と彼らの諜報機関、法執行機関のカウンターパートに対し、独特な課題を提示している。

“Cyber Five”は、データが入手可能な他のアジア太平洋13か国に比べ、サイバー攻撃に対する脆弱性が9倍となっている。韓国は、ユビキタスワイヤレスアクセスを急速に推進させたため、2014年に最もサイバーリスクの高い国としてランクされた。

“Cyber Five”とその他アジア太平洋諸国間の大きなギャップは、新たな防衛上の課題を指し示すだろう。中国とインドは"Cyber Five”と比較し、サイバー攻撃に対する脆弱性ははるかに低く、これら2か国ならびにその他アジア太平洋諸国は、高度なサイバーケイパビリティを構築することにコミットしている。脆弱性の低い国々は、彼らの潜在的敵対国がインターネットをベースとした被害にさらされていることから、サイバー空間において、より戦略的な行動をとる可能性がある。

アジア太平洋諸国は、こうした新しい安全保障・防衛上の課題にどのように取り組むのか?

アジア太平洋地域の19か国は、2020年までに世界の防衛予算の3分の1近くを占めるようになり、現役兵の数は3分の1を上回る。

国の成長に伴い、アジア太平洋諸国は民間投資のGDPに占める割合を増大させ、兵役に就く労働人口を減らし、専門化した現役軍人への給与を増加させ、消費支出を促進し、経済成長を押し上げている。2020年までに、アジア太平洋地域の兵器調達、研究開発は世界の増加の60%、ならびに全世界の防衛調達予算の30%を占めると予測されている。

〔PDF, 1.2MB〕

Asia-Pacific Defense Outlook: Key Numbers

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