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「地方公営企業の経営改革」セミナー開催報告

コロナ禍において地方公営企業の舵取りをどのように行うべきか

開催日:2021年7月8日

有限責任監査法人トーマツは、2021年7月8日に「緊急特別セミナー 地方公営企業の経営改革 ~コロナ禍において地方公営企業の舵取りをどのように行うべきか~」をオンラインで開催いたしました。本ページでは、講演内容のポイントをご紹介いたします。

本セミナーでは、地方公営企業が抱える様々な経営課題や解決策について、本年度にスタートした「経営・財務マネジメント強化事業」の有効活用方法をはじめとする国の最新動向や全国各地の幅広い公営企業に対する直近の支援実績を踏まえて解説いたしました。

また「特別対談」として、総務省自治財政局公営企業課長をお招きし、国の施策や今後の公営企業の経営改革について、総務省の研究会委員も務める当法人の公認会計士との意見交換を行いました。

第1部 「コロナ禍における公営企業の経営改革」

有限責任監査法人トーマツ パートナー 小室 将雄

第1部では、昨今のコロナ禍の状況の下、公営企業に求められている経営改革のあり方や全体像について解説しました。ポイントは以下の通りです。

【ポイント】

  1. 各地方公営企業がコロナによる経営への影響を定量的に分析・把握することが重要である
  2. 地方公営企業は令和6年度予算までに法適用への移行が求められている
  3. 令和7年までに経営戦略の見直し率100%とすることが求められている
  4. 地方公共団体の経営・財務マネジメント強化事業の活用が効果的である

「コロナ禍における公営企業の経営改革」
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第2部 「経営戦略の策定及び見直しのポイント」

有限責任監査法人トーマツ マネジャー 鈴木 識都

第2部では、更なる地方公営企業改革の推進が求められている昨今、必要とされている経営戦略の策定・見直しのプロセスや具体的な経営改善の取り組み内容、PDCA サイクルを回すためのポイントについて解説しました。ポイントは以下の通りです。

【ポイント】

  1. 現状分析により表面化した弱点の改善に向け、努力すれば達成可能な水準の目標を設定するべきである
  2. 持続的な経営達成には、長期的な投資財源の検討のみならず、料金改定など短期的、中期的な検討も必要である
  3. 経営戦略における年度評価(PDCA)や進捗状況を定量的に確認し、公表する必要性がある

  

第3部 「経営改善・抜本的改革の効果的な進め方」

有限責任監査法人トーマツ シニアマネジャー 井谷 裕介

第3部では、公営企業経営改善の具体的な取組みとして、料金・使用料改定、BPR(業務見直し)、官民連携、公営企業における内部統制、ICT の導入及び活用等について解説しました。ポイントは以下の通りです。

【ポイント】

  1. 料金・使用料改定:原価を把握・分析し、原価を起点として、基本料金・従量料金を検討する
  2. BPR(業務見直し):現状業務の体系化による分析、ヒアリングによる業務量の把握、委託・機械化可能な業務の洗出し等を検討する
  3. 官民連携:一般的な業務委託からPFIまで手法及び期間も多岐にわたるため、各団体に合う手法の検討が必要となる。また事後的に手法の適切性を評価し、継続の有無について検証する
  4. その他にも内部統制制度の導入、ICTの導入及び活用(情報システムの導入・更改)、広域化についても検討することが重要である

  

【特別対談】今後の公営企業を取り巻く環境と総務省の取り組み

総務省 自治財政局公営企業課 課長 坂越 健一様
有限責任監査法人トーマツ パートナー 小室 将雄

第4部では、総務省自治財政局公営企業課課長の坂越健一様をお招きし、公営企業が直面している環境や総務省の実施している取り組みについて、有限責任監査法人トーマツの公認会計士の小室将雄との対談を実施いたしました。対談のポイントは以下の通りです。

【対談のポイント】

  1. コロナ禍における総務省の対応として、財政措置の見直し、延長などを実施している
  2. 公営企業の持続可能性について、料金収入の減少・施設の維持更新・人材不足という課題について、広域化を含む抜本的改革が重要である
  3. 法適用を財源措置の前提とする施策が増えてきているため留意が必要。また移行事務はその他事業を含めて一括で委託発注することが効率的である
  4. 経営戦略改定時には投資財政計画の充実や目標設定・PDCAサイクルの確立が望ましい
  5. 広域化は施設の大量更新のタイミングを迎える今が重要な局面であり、地域サービス維持のため県と協力して前向きに検討して頂きたい

「経営改善・根本的改革の効果的な進め方」
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最後に

本セミナーには、多くの地方公共団体の公営企業所管課、財政・行革・監査担当課の皆様にお集まり頂き、講演中の質疑応答や講演後のアンケートに積極的にご参加いただくなど、関心の高さを窺うことができました。

最後になりましたが、公務ご多忙の中、ご講演いただきました総務省自治財政公営企業課課長の坂越健一様に、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。

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