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第11回 一般廃棄物会計基準の解説(人件費編)

5分で理解!一般廃棄物会計基準の財務書類シリーズ

環境省の循環型社会形成推進交付金に関する制度において、令和3年度よりごみ焼却施設の新設に際して、一般廃棄物会計基準の導入が要件化されます。改訂後の一般廃棄物会計基準の人件費について解説します。

一般廃棄物の処理に関する事業に係る原価計算書は、一般廃棄物の処理(収集運搬、中間処理(焼却・資源化等)、最終処分(埋め立て))について、対象期間に要した費用を表したもので、一般廃棄物の処理に関する事業に係る経常的な処理原価の状況を把握・分析するための情報として役立てることができます。

原価計算書は、作業部門ごとに「人件費」、「物件費等」及び「移転費用」に区分して表示します。そして今回は、「人件費」について解説します。

【原価計算書のイメージ】

原価計算書のイメージ
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(1)人件費とは

一般廃棄物会計基準(以下、「会計基準」という。)における「人件費の定義」は以下の通りです。

●人件費は、給料、職員手当等、共済費、報酬、退職給与金等をいう。

●人件費は、「職員給与費(一般職)」「職員給与費(技能職)」「退職手当引当金繰入額」「その他」に区分して表示する。

出典:会計基準 第二章 Ⅱ一般廃棄物の処理に関する事業に係る原価計算書 2処理原価 (1)人件費

 

(2)各部門における一般廃棄物種類別の職員給与費の計算方法

原価計算書では、各作業部門に計上した職員給与費をさらに生活系・事業系に区分して表示します。
職員給与費(一般職)について、各作業部門(生活系、事業系別)の金額が直接把握できる場合は、その金額を計上しますが、直接把握することが困難な場合には、配置人員数や業務量等合理的な基準により按分して計上します。

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職員給与費(技能職)については、会計基準において各作業部門に計上すべき職員給与費が以下のように規定されているため、それに従い計上します。なお、各作業部門の生活系、事業系別への按分は、一般職同様、配置人員数や業務量等合理的な基準により按分して計上します。

【職員給与費(技能職)-収集運搬部門】
●収集運搬部門の技能職(収集運搬車運転手、整備士、修理士、船舶乗員、船舶整備士、収集作業員等の収集運搬業務に携わる技能士、作業員等)に係る職員給与費をいう。

【職員給与費(技能職)-中間処理部門】
● 中間処理部門の技能職(クレーン操作者、ピット係員、焼却作業員等中間処理に携わる技能士、作業員等)に係る職員給与費をいう。

【職員給与費(技能職)-最終処分部門】
●最終処分部門の技能職(埋立地作業員等、最終処分に携わる技能士、作業員等)に係る職員給与費をいう。

出典:会計基準 第二章 Ⅱ一般廃棄物の処理に関する事業に係る原価計算書 2処理原価 (1)人件費

 

(3)退職手当引当金繰入額、その他について

第8回 一般廃棄物会計基準の解説(引当金編①)第9回 一般廃棄物会計基準の解説(引当金編②)において詳細な説明をしていますので、そちらをご覧ください。

 

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以上

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