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IR整備法施行令(中核施設の要件)の解説

統合型リゾート(IR、Integrated Resort)

日本政府は、2019年3月に「特定複合観光施設区域整備法施行令」を閣議決定しました。本稿では、中核施設の具体的な要件とIR(統合型リゾート、Integrated Resort、以下「IR」とする)事業への参入を検討している企業が留意すべき点に関して解説します。

政府は、中核施設の要件等を示したIR整備法施行令(政令)を決定・施行

2018年7月のIR整備法成立・公布を受け、日本政府(以下「政府」とする)主導の特定複合観光施設区域整備推進本部(IR推進本部)は、民間有識者を委員とする特定複合観光施設区域整備推進会議(通称、「IR推進会議」)を開催し、中核施設の要件の検討をしました。2019年3月に政府は、IR推進会議での検討内容を踏まえて、「特定複合観光施設区域整備法施行令」(以下「施行令」とする)を閣議決定しました。

本施行令は、2018年7月に成立したIR整備法において政令で定めることとされている58項目のうち、50項目を措置する内容となり、MICE施設(国際会議場および展示場)、宿泊施設、魅力増進施設等の中核施設の要件等は4月1日に施行されています。

 

中核施設の数値基準は、我が国を代表することとなる規模等の最低基準である

本施行令は、魅力ある日本型IRを実現すべくIR整備法の詳細な制度設計を目的に定めるものであり、カジノ誘致を目指す自治体および事業者が、誘致に向けて作成する「IR区域整備計画」の土台となります。注目された中核施設の具体的な要件(数値基準)が明らかになりました。施行令における主な基準は以下の表のとおりです。

<施行令の主な基準の概要>

項目

内容

宿泊施設

  • 全客室の床面積の合計が10万平方メートル以上とすること
  • 客室の最小のものの床面積、スイートルームの最小のものの床面積、スイートルームの割合を国内外の実情を勘案して適切なものとすること

 等

国際会議場

  • 最大の国際会議場施設が概ね1,000人以上収容できること
  • 中小会議場施設群の収容人数の合計が最大の国際会議場施設の概ね2倍以上であること

展示等施設

  • 展示等施設の床面積は国際会議場施設の収容能力に応じて概ね2万平方メートル以上、概ね6万平方メートル以上、概ね12万平方メートル以上の3パターンから選択すること

カジノ施設

  • ゲーミング区域の床面積の上限は、IR施設の床面積の合計の3%とする
  • マネー・ローンダリング (資金洗浄)を防ぐため、カジノ事業者と顧客の間で100万円を超える現金とチップを交換した場合等には、カジノ事業者が取引内容をカジノ管理委員会に報告するよう義務付ける

(出所)特定複合観光施設整備法施行令に基づきデロイト トーマツにて作成

 

自治体およびIR事業者は中核施設の要件を充足することが求められる

意見募集(パブリックコメント)に対する政府IR推進本部事務局からの回答によると、施行令のこれらの基準は、「特定複合観光施設区域整備推進会議取りまとめ(2018年12月4日、以下「IR推進会議取りまとめ」とする)の基本的な視点を踏まえ、世界中から観光客を集めるこれまでにないクオリティと、カジノの収益を活用して整備を行うべき施設の外形的な要件としてこれまでにないスケールを実現しつつ、民間の活力や地域の創意工夫を生かされるようにするため、「 我が国を代表することとなる規模等の最低基準を定めたもの」と考え方が示されています。

今後、中核施設の要件・基準は、IR誘致を目指す地方自治体にとって、IR導入に伴う税収効果や雇用効果を算定するため、RFC/RFP実施準備をするための重要な前提条件となります。また、IR事業への参入を検討している企業においては、中核施設の要件を充足した事業計画(プロジェクション)を策定し、事業採算性の検証し、施設の具体的な検討・設置につなげる必要があると考えます。

 

デロイト トーマツ グループでは、以下のアドバイザリーサービスを提供します

IR事業への参入の意思決定の段階、海外のIR事業者等とのコンソーシアム形成の交渉段階、RFPに対する提案段階等、様々な局面で事業計画(プロジェクション)の作成が必要となります。

事業計画を作成する上では施行令における中核施設の要件・基準をパラメータに適切に反映させることが不可欠です。デロイト トーマツ グループでは、事業計画の作成に関する調査分析・課題解決をサポートします。

  • 施行令を踏まえた、IR全体の事業計画シミュレーション
  • 施行令を踏まえた、事業計画の財務モデリング
  • 施行令を踏まえた、ゲーミング収益、ノンゲーミング収益の試算
  • 施行令を踏まえた、概算投資規模の試算
  • 各種パラメータ設定の参考となる施設のリサーチ
  • 各種パラメータの感度分析

本稿に関して、より詳細な内容や関連資料等をご要望の場合は以下までお問い合わせください。
IR(統合型リゾート)ビジネスグループでは、Deloitteのグローバルネットワークを活用し、海外事例等を踏まえたIRビジネスに関連する幅広い調査・分析を行っています。


IR(統合型リゾート)ビジネスグループ

info-irbg@tohmatsu.co.jp

 

 

IR(統合型リゾート)ビジネスグループとは

IR(Integrated Resort:統合型リゾート)実施法案の審議開始から免許交付までの間に、IRビジネスグループでは参入を目指す日本企業に対し、さまざまなアドバイザリーサービスを提供します。

また、カジノ施設の設置と運営にはさまざまな課題やリスクが指摘されています。そのため、IRビジネスグループでは、日本企業に対する事業支援サービスだけでなく、企業と自治体に対し、IR施設を設置・運営する上で懸念される課題と社会問題の解決に関するアドバイザリーサービスも提供します。

 

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