ナレッジ

開業までのプロセス、RFP(公募・選定) ~我が国のIRビジネス参入における法制度上の留意点(1)~

統合型リゾート(IR、Integrated Resort)

2016年12月の臨時国会での特定複合観光施設区域の整備に関する法律(通称、「IR推進法」)の成立を受け、有識者による広範な検討と国民的な議論が行われ、その結果を踏まえた特定複合観光施設区域整備法案(通称、「IR整備法案」)が2018年4月27日に国会に提出されました。IR整備法案は、IR設置の際に考慮しなければならない法制度の骨格となる非常に重要な法案です。本稿では、IR整備法案のビジネス上の主要な論点及びこれまでに進められてきた検討・議論を解説します。

整備計画の申請機会は2回設けられる可能性がある

与党IR実施法に関する検討ワーキングチームでは、区域認定数の見直し前においては、整備計画の申請機会は2回設けられる可能性があることが示されました。

日本の統合型リゾート(Integrated Resort、以下「IR」という。)の議論においては、開業までのプロセスは、民間事業者に関しては、主に事業計画のロードマップ、地方自治体に関しては、主に事業者公募(いわゆるRequest for Proposal、RFP)のロードマップへの影響があり検討が進められてきました。

与党IR実施法に関する検討ワーキングチームでは、事業者選定及び区域認定までのプロセスは以下2段階選抜となる可能性があることを示されました。

※画像をクリックすると拡大表示します

「与党IR実施法に関する検討WTとりまとめ」をもとにデロイト トーマツ作成


整備法案により示された主なマイルストーン

  • 国土交通大臣による特定複合観光施設区域の整備のための基本的な方針(以下、「基本方針」という。)の発表(第5条(基本方針))  
  • 都道府県等による協議会の設立(第12条(協議会))
  • 都道府県等(都道府県または指定都市)による特定複合観光施設区域の整備の実施に関する方針(第6条(実施方針))
  • 都道府県等による民間事業者の公募(RFP)(第8条(民間事業者の選定))
  • 都道府県及び民間事業者と共同して特定複合観光施設区域の整備に関する計画(以下「区域整備計画」という。)を作成し、国土交通大臣の認定を申請(第9条(区域整備計画の認定))
  • 都道府県等は、区域整備計画を作成するときは、公聴会の開催その他の住民の意見を反映させるために必要な措置を講じる(第9条7項)

また、都道府県等の認定申請に当たっては、申請する都道府県等の議会の議決、立地市町村等の同意など、地域における十分な合意形成が必要になることが示されています。

なお、与党IR実施法に関するワーキングチームの整備法を作成する重要論点11項目に関して議論及び合意がされました。

11項目のなかで「開業までのプロセス」に関しては「地方自治体における準備状況を踏まえ、早期に日本型IRの効果を発現させるとともに、地元での合意形成等の手続きを確実に行う観点から、法定されるIR区域認定数の上限の下で、申請・認定のプロセスを2回行うことを検討する。」と合意され、これにより区域整備計画の申請・認定する機会が2回与えられる可能性があることが示されました。

 

IRビジネス参入においては、地方自治体の申請時期を見据えたプロジェクトマネジメントが必要となる

区域認定数の見直し前において、整備計画の申請機会は2回設けられる可能性があるため、申請タイミングについては地方自治体、企業ともに戦略的な検討が必要になります。

整備計画の申請機会が2回設けられる場合、1回目を目指す地方自治体は早期にIR事業者選定に向けた準備、RFC等の取組みの実施が必要となります。

また、民間事業者は地方自治体がIR事業者選定に向けた公募(通称、「RFP」)に向けて事業計画の作成・精緻化、コンソーシアムの形成等の準備が求められます。

RFPでは地方自治体の求める事項に的確に回答するとともに、精緻な事業計画策定が成功の鍵となります。

デロイト トーマツ グループでは、RFC/RFP対応、事業計画策定にあたり以下のアドバイザリーサービスを提供します。

  • RFC/RFP対応支援
  • IR事業の収支構造の理解
  • 事業計画のモデリング実施
  • ゲーミング収益、投資規模試算
  • IR全体事業計画シミュレーション
  • 各種パラメータの感度分析 等
本稿に関して、より詳細な内容や関連資料等をご要望の場合は以下までお問い合わせください。
IR(統合型リゾート)ビジネスグループでは、Deloitteのグローバルネットワークを活用し、海外事例等を踏まえたIRビジネスに関連する幅広い調査・分析を行っています。

IR(統合型リゾート)ビジネスグループ

info-irbg@tohmatsu.co.jp

連載「我が国のIRビジネス参入における法制度上の留意点」のアーカイブ

本連載では全7回にわたり、IR整備法案のビジネス参入における留意点について、様々な視点からIRビジネスグループの知見を発信しています。

>>連載「我が国のIRビジネス参入における法制度上の留意点」のアーカイブページ<<

IR(統合型リゾート)ビジネスグループとは

IR(Integrated Resort:統合型リゾート)実施法案の審議開始から免許交付までの間に、IRビジネスグループでは参入を目指す日本企業に対し、さまざまなアドバイザリーサービスを提供します。

また、カジノ施設の設置と運営にはさまざまな課題やリスクが指摘されています。そのため、IRビジネスグループでは、日本企業に対する事業支援サービスだけでなく、企業と自治体に対し、IR施設を設置・運営する上で懸念される課題と社会問題の解決に関するアドバイザリーサービスも提供します。

 

>>IRビジネスグループの紹介<< 

IR(統合型リゾート)ビジネスグループの最新活動

下記IR(統合型リゾート、Integrated Resort)についての海外事例のナレッジを提供している、IRビジネスグループの最新の活動をご紹介いたします。

 

【IRビジネスグループの最新活動】

>新規コンテンツ「IR事業(カジノ事業)におけるファイナンス」追加
日本におけるカジノ事業を含む統合型リゾート(IR: Integrated Resort)の開発に関する投資資金の調達手段について、海外の事例を交えながら解説 

>新規コンテンツ「IR事業(カジノ事業)におけるMOU締結・JV組成とガバナンス」追加
IR事業(カジノ事業)におけるコンソーシアム形成とJV組成に関するガバナンスのあり方を解説 

>長崎県・佐世保市IR推進協議会主催「IRって何だろう? ~知ろう!考えよう!特定観光複合施設(IR)セミナー」への登壇
有限責任監査法人トーマツ パートナー、IR(Integrated Resort)ビジネスグループ リーダーである仁木一彦が、長崎県・佐世保市IR推進協議会主催「IRって何だろう? ~知ろう!考えよう!特定観光複合施設(IR)セミナー」に講師として参加

>経済産業省「平成29年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(国際博覧会の開催を契機とした持続可能なシステムの構築に向けた課題整理等の調査)」
一般競争入札の結果、経済産業省より受託 

>長崎県・佐世保市IR(統合型リゾート)推進協議会「IR基本構想策定等に係る支援業務」
長崎県・佐世保市IR(統合型リゾート)推進協議会「IR基本構想策定等に係る支援業務」を受託

>和歌山県におけるIR(統合型リゾート)基本構想策定のアドバイザリー業務委託
和歌山県におけるIR基本構想策定のアドバイザリー業務委託を受託

>大阪IR(統合型リゾート)基本構想(案)策定支援等業務
大阪IR基本構想(案)策定支援等業務を受託

お役に立ちましたか?