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IR事業(カジノ事業)におけるRFP対応とプロジェクトマネジメント

統合型リゾート(IR、Integrated Resort) 

本稿ではIR(統合型リゾート:Integrated Resort)事業におけるRFP(request for proposal)対応に求められるプロジェクトマネジメントの重要性を解説します。RFPは複数の事業者による競争となります。この競争に勝ち抜くためには高度なプロジェクトマネジメントが必須となります。

我が国におけるカジノを含むIR(統合型リゾート:Integrated Resort、以下、「IR」という)事業の導入実現に向けては、諸外国のカジノ規制を踏まえた「世界最高水準のカジノ規制」が課せられる予定です。

参入時の規制として諸外国の制度と同様、免許制の下でIR事業者にカジノ事業の主体を限定する方針です。

IR事業者の免許付与のプロセスでは、法定されるIR区域認定数の上限の下で、事業者の公募のための申請・認定のプロセス、いわゆるRFPが実施されることが検討されています。

諸外国で行われたIR事業者選定時のRFPを参考にするとRFPは要求項目ごとの配点の範囲内の加点方式で評価されます。

また、RFP要求項目は広範かつ多義にわたる内容となり、おのずと分量も多くなる傾向があります。

事業者選定を有利に進めるためには短期間で準備することは極力避け、想定されるRFPの要求項目から逆算して戦略的にプロジェクトを推進することが望ましいと考えられます。

 

RFPに勝ち抜くためには高度なプロジェクトマネジメントが必須である

カジノを含むIR事業者はRFPと区域選定によって決定されることになります。

RFPは複数の事業者による競争となります。

IR事業者に選定されることを目指す企業は以下のような特徴を踏まえたプロジェクトタスクの設計、要員管理、スケジュール管理等のプロジェクトマネジメントを適切に実施する必要があります。

(1) IR事業者選定、IR区域認定、開業までは少なくとも4~5年を要する中長期のプロジェクトであること

(2) 政府による法整備、自治体によるRFP実施などスケジュール確定のための要素に不確実な内容が多く、適宜、マイルストーンの更新が必要なこと(ムービングターゲットであること)

(3) RFPに回答が必要な内容には事業計画のような財務情報、ノンゲーミング施設を含むIR施設の建設計画、ギャンブル依存症対策など社会的影響の軽減策などがあり、プロジェクトとして検討する必要がある領域が広範かつ多義にわたり、かつ各タスクが相互に関係があること

(4) 政府、自治体、海外IR事業者を含むコンソーシアム参加企業、地元企業、金融機関、外部専門家(弁護士、公認会計士、設計事務所)など利害関係者が多いこと

 

IR事業者選定時のRFP項目は多岐にわたり、ボリュームも膨大である

IR事業者の選定は、各自治体により実施されるRFPにおいて行われることが検討されており、各RFPの項目ごとに配点をあらかじめ決め、回答内容に対して加点形式で採点を行い評価がなされることが想定されます。

IR事業者選定時のRFP項目の例示は以下の表のとおりです。

諸外国の例ではRFPの提出書類で7,000ページを超える例もあります。

<IR事業者選定時のRFP項目の例示>

大項目

内容(例示)

全体像

・プロジェクト全体概要
・IR施設のコンセプトと事業運営上の施策
・IR施設の建設・運営の考え方
など

財務

・売上予測、シナリオ分析、納税予測
・自治体収益の最大化の考え方
・内部管理体制の整備の考え方
など

産業振興

・雇用創出の考え方、雇用環境の提供
・周辺ビジネスに対する支援と雇用の増加の考え方
・地域観光の振興施策、地域ツーリズム
など

施設デザイン

・創造性のあるデザインとコンセプト
・ゲーミング施設、ノンゲーミング施設の概要
・周辺との親和性、運営におけるサステナビリティ
など

社会的影響の軽減

・IR建設の影響と緩和策、貢献策
・ギャンブル依存症に対する施策
・交通問題への対応、ごみ処理問題
など

出所:諸外国のRFP項目等を参考にデロイト トーマツにて作成

 

デロイト トーマツの知見と経験を活かしてプロジェクトマネジメントを支援します

今後、IR事業への参入を検討している日本企業においては、自治体による事業者選定を見据え、RFPの要求項目から逆算して必要な検討と回答内容を準備することが重要となります。

プロジェクトタスクの設計に際しては、相互に関連するタスクの関係性を整理し、必要な成果物をタイムリーに連携することができるようタスク設計を行うことが重要です。

例えば、施設計画と事業計画のように連携が必要なタスク項目は、作業の手戻りや各タスクの遅延が他のタスクの実施時期に影響を及ぼし、全体スケジュールの遅延が生じることに留意が必要です。

問題なくプロジェクトを進めるためには、高度なプロジェクトマネジメントスキルと経験が不可欠となります。

デロイト トーマツではIR事業の推進にかかるプロジェクトを数多く支援してきました。

デロイト トーマツが支援するプロジェクトマネジメントの一般的な機能・役割は以下となります。

<デロイト トーマツが支援するプロジェクトマネジメントの主な機能・役割の一例>

機能・役割

内容

タスク設計

タスク内容、実施時期を設計し、スケジュールに落とし込み、関係者に展開

進捗管理

スケジュールモニタリング、微調整

課題・リスク管理

プロジェクト推進上の課題を記録、管理し、課題解決を推進

プロジェクト運営基盤の整備

コミュニケーションルールの設定、データ共有ルール

コミュニケーション・ハブ

会議体の設定、他部門、外部関係者等との調整

リソース管理

プロジェクト体制の設計、要員管理、予算管理

本稿に関して、より詳細な内容や関連資料等をご要望の場合は以下までお問い合わせください。
IR(統合型リゾート)ビジネスグループでは、Deloitteのグローバルネットワークを活用し、海外事例等を踏まえたIRビジネスに関連する幅広い調査・分析を行っています。

IR(統合型リゾート)ビジネスグループ

info-irbg@tohmatsu.co.jp

IR(統合型リゾート)ビジネスグループとは

IR(Integrated Resort:統合型リゾート)実施法案の審議開始から免許交付までの間に、IRビジネスグループでは参入を目指す日本企業に対し、さまざまなアドバイザリーサービスを提供します。

また、カジノ施設の設置と運営にはさまざまな課題やリスクが指摘されています。そのため、IRビジネスグループでは、日本企業に対する事業支援サービスだけでなく、企業と自治体に対し、IR施設を設置・運営する上で懸念される課題と社会問題の解決に関するアドバイザリーサービスも提供します。

 

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