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業界展望2018 不動産

絶えず変化し続ける環境で機会を最大限に活用する

不動産業界の経営幹部は、エコシステムの進化に追いつくためにビジネスモデルをどのように適応させるべきだろうか。

企業は現在の社内プロセスと人材に目を向け、テクノロジーの進歩とビジネスの生産性との間のギャップを埋めるための様々な方法について評価すべきである。本稿で紹介する4つのテーマを優先すれば、価値創造と成長を最大化できるだろう。

成長を加速させる:不動産投資信託(REIT)の潜在価値を解き放つ

かつてとは異なり、今日のREIT価格は、アクティビストやメディアの影響をますます受けやすくなっている。この状況を悪化させているのは、実態価値と財政基盤の改善が、認識されている価値と食い違っているという、多くのREITが現在直面しているジレンマである。潜在価値を解き放つべく、企業は投資主の関心を高めるために様々な方法を検討すべきである。そのためには、既存のコーポレートガバナンスおよびコミュニケーション戦略に加えて、現在の運用状況、成長機会、戦略的代替案を批判的に評価することが必要になるだろう。その結果、M&Aまたは企業ストラクチャリングを検討することになる可能性がある。

資金に関する新たな選択肢を活用する:不動産フィンテックのスタートアップに注目する

不動産業界は激動の時代にある。毎日のように、デジタルイニシアチブ、デジタルインキュベーターやデジタルイノベーションチーム、敏捷なフィンテック会社の買収またはコラボレーションなどに関する新たな話題が報じられている。スタートアップは、絶えず新しいアイデアを形にしながら、規模とサービスを拡大し続けている。そのため、従来型の不動産会社は、フィンテックスタートアップとのコラボレーションによって利益を得られる可能性がある。ただし、フィンテックスタートアップは、伝統的な不動産会社とは経営スタイルが大きく異なる。したがって、伝統的な不動産会社側がスタートアップ側とどのような関わり方をするつもりなのかを評価する必要があるだろう。

生産性を高める:ロボティクス&コグニティブオートメーション(R&CA)を採用する

新たなテクノロジーの例にもれず、R&CAも定型的なタスクのスピード、コスト効率、正確さを向上させることにより、それらのタスクを根本的に改善する可能性を秘めている。不動産オーナーは、オートメーションを採用することによって経営効率と生産性を高めることができる機会を有している。企業は、コスト効率のみならず意思決定も改善することで、より多くの価値を生み出すことを目指し、R&CAの利用を徐々に検討すべきである。

人事の優先度を引き上げる:人材と文化について再考する

不動産・建設会社にとっては今こそ、人材、エンプロイー・エクスペリエンス、革新的リーダーシップ、文化を戦略的優先事項とするのに適したタイミングであるように見受けられる。企業はそれを実行すれば、デジタルな将来に向けた備えを強化するとともに、競争力のある人材差別化要因としてこれらのケイパビリティを構築することができるようになるだろう。前途はおそらく平坦とは言えない。多くの不動産・建設会社は、これまでの行動を見直して、人事機能の重要な側面―例えば、採用、エンプロイー・エクスペリエンス、組織設計、リーダー育成など―を再構築する必要がある可能性がある。しかし、コグニティブテクノロジー、機械学習および人工知能の加速度的な発展と、オープン・タレント・エコノミーとともに仕事の未来が展開するにつれて、不動産・建設会社は、プラスの財務的影響をかけた競争において競合相手の先を行き続けるために、アジャイルで、革新的で、なおかつ協調的な組織になることを迫られる可能性が高い。選ぶべき道は明らかだ。自社を取り巻く環境の変化についていこう。さもなければ、徐々に時代遅れの存在と化すことになる。

本レポートはDeloitte Center for Financial Servicesで発行された英語レポートを翻訳したものです。

原文(英語)レポートは以下よりご参照頂けます。

2018 Real Estate Outlook.pdf

(2.8MB, PDF)
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