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リスクの発生を“ゼロ”にすることはできるのか

リスクの視点(『企業リスク』2015年10月号掲載記事)

従来型の「危機管理」という概念を超えて、発生を“ゼロ”にすることはできないクライシスにどのように対応していくか。デロイト トーマツ 企業リスク研究所では、企業が広範に対応できる取組みにあたり、ご参考いただける知見を発信してまいります。

リスクの発生を“ゼロ”にすることはできるのか

 2015年9月、台風18号の影響を受けた「東日本豪雨」で茨城県、栃木県では河川の堤防決壊により、大きな被害がでています。この豪雨に限らず、近年、台風や大雨による水害の発生や火山噴火、地震などが発生して想定外の災害をもたらし、人々の暮らしだけでなく企業活動にも大きな影響を及ぼすケースが頻発しています。

 政府や自治体等が中心となり防災対策を講じることによって、災害発生に伴う人々の生活への影響や、財産・資産等への被害のリスクを最小限にとどめるようには取り組まれているものの、そのリスクの発生を“ゼロ”にすることはできないと考えられます。

 上記のような災害以外でも、1)政府の財政破綻や金融危機など、企業の経済活動に大きな影響を及ぼす経済的事象、2)地政学的・軍事的な紛争等、3)技術的・産業事故および妨害による事業活動の中断、あるいは4)サイバー攻撃や個人情報漏えい等による事業活動へのマイナスの影響など、個々の企業にとってはリスク軽減対策が実施不可能であったり、どんなに対策を講じていても想定外の事象が発生することを避けることはできず、リスク発生を“ゼロ”にすることはできません。したがって、事象の発生後、いかに影響を最小限にとどめ、いかに短い期間に復旧させるのかという観点で、これらの「クライシス」のリスクに対する対応が必要になります。

 企業のオペレーションが海外にも拡大したことによるグローバルリスク、およびITの高度化が進むことによるサイバーセキュリティリスク、ITリスクなど、従来想定していなかったリスクへの対応が迫られる事象が増えてきています。

 その結果として、クライシスに関するリスクの甚大度と頻度は増加し、その対応を誤ると企業全体のレピュテーショナルリスクに影響を与えることにもなり、最悪の場合には企業存続にかかわるリスクにも発展しかねません。

 その意味では、クライシスへの対応は常に経営陣として意識すべき課題のひとつであり、その対応計画を策定・適時に変更し、意思決定に必要な情報が得られない中でも重要な決断を適時に下し、企業内外の利害関係者へのコミュニケーションを適切に行っていくことが必要になります。

 本49号では、「クライシスにどう向き合うか」という特集テーマで、リスクが発現した際に企業としてどのように影響を最小限に抑えるか、そしていかに早く復旧させるのか、考察をお届けします。

 従来型の「危機管理」という概念を超えて、発生を“ゼロ”にすることはできないクライシスにどのように対応していくか。私どもデロイト トーマツ 企業リスク研究所では、ガバナンス&リスクマネジメントの観点より、事前のリスクマネジメントから事後のリスクマネジメントまで、企業が広範に対応できる取組みにあたり、ご参考いただける知見を発信してまいります。

リスクの発生を“ゼロ”にすることはできるのか (PDF, 5,245KB)

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【連載】グローバル時代のクライシスマネジメント

『ビジネス法務』にて計8回の記事連載

連載期間:2017年5月号(2017年3月21日発売)~2017年12月号(2017年10月21日発売予定)


以降、Coming soon... 

 

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