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「英国EU離脱への備え」第5回 課題・体制 総点検の機会に

日経産業新聞 2016年9月14日掲載

英国の国民投票結果は、EUが抱える諸問題を改めて顕在化させています。英国VS. EUという見方は十分ではなく、新たな地政学的考察も必要となります。見方を変えれば英国のEU離脱はグローバルビジネスの在り方を再定義する好機となります。

課題・体制 総点検の機会に

デロイト トーマツ グループ ブレグジット レスポンス センター 邉見伸弘

英国の国民投票結果は、EU(欧州連合)が抱える諸問題を改めて顕在化させている。英国 VS. EUという見方は十分ではなく、新たな地政学的考察も必要となる。EU自体も一枚岩とは限らないからだ。

英国では首相も交代し、「国論の分断」から「新しい枠組みへの挑戦」へモードが変わりつつある。中国や米国との距離感、国際的な枠組みとの関連性にも目を光らせる必要がある。悲観論に終始し、視野が狭くならないよう留意することが必要だ。

見方を変えれば英国のEU離脱はグローバルビジネスの在り方を再定義する好機となる。国家単位から地域単位への商圏軸のシフト、業界内競争から業界横断型のビジネス構築、短期から中長期的な視点への切り替えが必要となる。結果、市場のセグメンテーションの再構築、国際連携の在り方の見直し等、ビジネスの前提が変化していく。

来年には仏大統領選やドイツ総選挙等があり、欧州の大国でも針路が大きく変わり得る。各国での右派の台頭や内向き化の進行は大きな変化の氷山の一角だ。世代間の格差など変化の根底をどう読み、どう向き合うのか。これらの情勢変化はビジネスに当然影響する。

欧州の玄関として英国を捉えてきた日系企業にとっても、不確実性はチャンスになりうる。英国のEU離脱を拠点再編、サプライチェーン見直し、M&A(合併・買収)の進展といった個別・断片的な問題として受け身に捉えてはならない。経営課題や経営体制の総点検の機会となる。

不確実性の時代においては、情勢判断力が、複数のシナリオの準備の根幹となる。中期経営計画等も再作成が迫られるケースもあるだろう。その際に前提となるのは、ビジネスインテリジェンス力を高めることだ。戦略策定の土台を整備することが、経営の勝負のカギとなる。

 

*日本経済新聞社の許諾を得て掲載しています。断りなく複写・転載はご遠慮ください。

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