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米国政府が相互運用性重視の医療IT規則改正案を提示

【第58号】ライフサイエンス・ヘルスケアに関する海外サイバーセキュリティニュース

2018年4月24日、米国保健福祉省(HHS)のメディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)は、病院の価格情報へのアクセスの向上を通じで患者に権限を付与し、患者の電子健康記録へのアクセスを改善し、供給者が簡単に患者との時間を費やせるようにすることを目的とした規則改定案を発表しました。

第58号 2018.4.24公開

同改定案では、入院患者包括支払システム(IPPS)および長期療養病院(LTCH)包括支払システム(PPS)に基づくメディケア支払契約・料率の改定を提案しています。

CMSは、以下に示すような観点から、メディケア・メディケイド電子健康記録インセンティブ(Meaningful Use)プログラムを見直し、名称を「相互運用性の促進(Promoting Interoperability)」に刷新する方針を打ち出しました。

  • より柔軟性があり、負担にならないプログラムを策定する
  • 供給者と患者の間での保健情報の交換を要求する評価測定を強化する
  • 患者が自分の医療記録を電子的に、より簡単に入手できるように、供給者を動機づける

CMSは、相互運用性を促進する最新技術として、API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)の利用を挙げ、患者自ら、複数の供給者から保健医療情報を1か所のポータルに集約して、供給者‐患者間の情報フローを改善する可能性があるとしています。

またCMSは、プログラムの品質評価項目を整理・簡素化するなどして、管理業務の負荷を軽減する方策を打ち出しています。

なお、セキュリティ/プライバシー対策に関して、CMSは、従来通り、医療機関およびそのサプライヤー/パートナーが、HIPAA(医療保険の携行性と責任に関する法律)関連規則の要求事項を遵守することを前提条件としています。さらにHHSは、個人健康記録を利用する患者/一般消費者向けの啓発活動を強化する姿勢を打ち出しています。

当該記事が関係機関に及ぼすと考えられる影響

医療機関

・医療IT化の経済インセンティブとなっていた「Meaningful Use」プログラムが「Promoting Interoperability」へ移行するのに合わせて、ヘルスデータ利活用のためのIT基盤およびガバナンス体制構築が、次の課題となる。

医療機器メーカー/製薬メーカー

・「Promoting Interoperability」プログラムに準拠したヘルスデータ利用に係る技術仕様や相互運用性の標準化は、リアルワールドデータを利用した市販後安全対策やセキュリティ/プライバシー対策など、医薬品・医療機器の製品ライフサイクル管理に影響が及ぶ可能性が大きいので、その動向を注視する必要がある。

サプライヤー

・メディケア・メディケイドの保険診療施設向けにICTソリューションを提供するベンダーは、「Promoting Interoperability」プログラムに準拠した技術仕様や標準規格が調達基準となる可能性が高いので、セキュリティ/プライバシー対策関連の要求事項へのインパクトを注視する必要がある。

ライフサイエンス・ヘルスケアに関する海外サイバーセキュリティニュース

デロイト トーマツ リスクサービス株式会社のサイバーセキュリティチームでは、ライフサイエンス・ヘルスケア業界に向け、海外の規制情報やそれに伴う関係業界への影響について情報提供しています。(不定期刊行)

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