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米国AHRQが糖尿病向けモバイルヘルスアプリケーションの評価結果を公表

【第59号】ライフサイエンス・ヘルスケアに関する海外サイバーセキュリティニュース

2018年5月8日、米国保健福祉省(HHS)の医療研究・品質調査機構(AHRQ)は、「糖尿病自己管理用途モバイルヘルスアプリケーション」と題する報告書を公表しました。AHRQは、モバイルヘルスの介入によるアウトカム評価研究を継続的に行っており、今回は、糖尿病自己管理アプリケーション製品に焦点を当てた比較分析を行っています。

第59号 2018.5.8公開

今回の報告書は、米国内で商用利用が可能なⅠ型およびⅡ型糖尿病の自己管理用途のモバイルアプリケーションについて、エビデンス、ユーザビリティ、機能を検証することを目的として、Ovid/Medlineおよびコクランデータベースを検索し、系統的レビューと技術評価を実施した結果をとりまとめたものです。そのポイントは以下の通りです。

  • 数百の糖尿病自己管理アプリケーションが商用利用可能になっているが、医療アウトカム研究が特定できたのは、11のアプリケーションのみであった
  • 11のアプリケーションのうち、糖尿病モニタリングで重要な臨床検査であるHbA1cについて、臨床的に重要な改善に関わる研究は5つのみであり、生活の質(QoL)、血圧、体重またはボディマス指数(BMI)の改善に触れた研究はゼロであった
  • 研究手法の課題としては、短期間(2~12か月)である点、ランダム化、割付、マスキング、脱落分析の報告に一貫性がない点、結果の解釈を阻害する共介入がしばしば使われていた点があり、高品質の研究と考えられるケースはなかった

なお、セキュリティに関しては、医療アウトカム研究が特定された11のアプリケーションについて、セキュリティ/プライバシーポリシーの対応状況を報告書の中で整理しています。

当該記事が関係機関に及ぼすと考えられる影響

医療機関

・モバイルヘルスアプリケーションを導入した医療機関は、患者に対して、医療の質の維持・改善や市販後安全対策に関する責任を負うので、セキュリティ/プライバシー対策も含めて継続的にモニタリングする必要がある。

製薬メーカー

・糖尿病関連医薬品メーカーにとって、モバイルヘルスアプリケーションは、リアルワールドデータ(RWD)/リアルワールドエビデンス(RWE)のソースとなるので、データのインテグリティやバリデーションの観点からモニタリングする必要がある。

医療機器メーカー

・モバイルヘルスアプリケーションの開発メーカーは、セーフティおよびセキュリティの両面をカバーする、医療機器市販後安全対策のための体制づくりを行う必要がある。

サプライヤー

・モバイルヘルスアプリケーション向けにクラウドサービスやソフトウェアを提供するサプライヤーは、HIPPAの事業提携者(BA:Business Associate)やNISTサイバーセキュリティフレームワーク1.1版のサイバーサプライチェーンリスクマネジメントの要求事項を満たすことが求められる可能性が高いので、セキュリティ/プライバシー対策に注意する必要がある。

ライフサイエンス・ヘルスケアに関する海外サイバーセキュリティニュース

デロイト トーマツ リスクサービス株式会社のサイバーセキュリティチームでは、ライフサイエンス・ヘルスケア業界に向け、海外の規制情報やそれに伴う関係業界への影響について情報提供しています。(不定期刊行)

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