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米国医師会とGoogleがモバイルヘルスのオープンイノベーションで連携

【第63号】ライフサイエンス・ヘルスケアに関する海外サイバーセキュリティニュース

2018年6月29日、米国医師会(AMA)は、Googleと共同で実施している「ヘルスケア・インターオペラビリティ・アンド・イノベーション・チャレンジ」の入賞者3チームを発表しました。

第63号 2018.6.29公開

米国医師会は、医療施設やテクノロジーベンダーの枠を超えて、保健医療データを整理・共有する共通データモデルを構築することを目的とする「統合保健医療モデルイニシャティブ(IHMI)」を推進しています。今回のプログラムは、これをモバイルヘルス領域に拡張させ、患者と医師の間の医療データのモニタリング・共有を効率化しながら、慢性疾患管理の向上を図ることを目標として、今年4月9日に公募を開始したものであり、主な評価基準は以下の通りです。

  • 問題提示の遵守:提案は、問題の提示に対し、どの程度遵守/取組んでいるか?
  • 相互運用性:ソリューションは、相互運用性とイノベーションを促進しているか?
  • 実用性:プレゼンターは解決する問題を明確に提示しているか、そのアイデアはどのようにして問題を解決し、どのようにしてその働きを評価するのか? そのアイデアは、今日の臨床環境に、手頃な費用で、現実的に導入できるのか? 
  • 効果:本当の便益(費用削減、アウトカムの改善、よりよい患者の経験など)を生み出すアイデアを求めている。提案されたアイデアが導入されたら、どのようにして有益になるのか?

最終選考の結果、入賞したのは以下の3チームです。

  • 第1位~HealthSteps:患者のエンゲージメントの進化
  • 第2位~I-deal Health:患者に自分自身の成功を可視化する力を付与する
  • 第3位~FUTUREASSURE LLC:日常的な臨床ワークフローを利用した外科患者の迅速なリスク評価;コミュニケーションとアウトカムを改善しながら、正確に実行リスクを評価する患者完了型脆弱性ツールの効用

なお、Googleは、「Google Cloud」ホームページ上で、「医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)」の事業提携者(BA:Business Associates)として、クラウドサービス事業者に要求される提携事業者契約(BAA:Business Associate Agreements)の対応状況を公開するなど、クラウドプラットフォームの臨床現場利用に不可欠なサイバーセキュリティ/プライバシー管理策を提示しています。

当該記事が関係機関に及ぼすと考えられる影響

医療機関

・米国では、医療関連分野の職能団体や専門学会が、クラウドプラットフォーム利用を想定して、施設の枠を越えた医療情報交換や相互運用性標準化に取り組むケースが増えているので、医療機関としても、ハイブリッドクラウド環境下のセキュリティ/プライバシー対策を検討・実装する必要がある。

製薬メーカー/医療機器メーカー

・臨床現場から生成される保健医療データをリアルワールドデータ(RWD)/リアルワールドエビデンス(RWE)に利用する製薬メーカー/医療機器メーカーにとって、相互運用性の標準化やそのセキュリティ/プライバシー対策への影響は、データのインテグリティやバリデーションの根幹に関わる問題なので、技術的動向やインパクトを継続的にモニタリングする必要がある。

サプライヤー

・保健医療分野向けクラウドプラットフォーム事業者は、HIPAAの事業提携者(BA)向け要求事項や、NISTサイバーセキュリティフレームワークのサイバー・サプライチェーン・リスクマネジメント(C-SCRM)の適用対象となる。クラウドプラットフォーム上で保健医療関連サービスを提供するサプライヤー/パートナー企業は、セキュリティ/プライバシー対策上の責任分界点やSLA、インシデント対応体制などを、あらかじめ確認しておくことが要求される。

ライフサイエンス・ヘルスケアに関する海外サイバーセキュリティニュース

デロイト トーマツ リスクサービス株式会社のサイバーセキュリティチームでは、ライフサイエンス・ヘルスケア業界に向け、海外の規制情報やそれに伴う関係業界への影響について情報提供しています。(不定期刊行)

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