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米国FDAが臨床研究向けEHRデータ利用ガイドラインを公表

【第64号】ライフサイエンス・ヘルスケアに関する海外サイバーセキュリティニュース

2018年7月18日、米国食品医薬品局(FDA)は、「臨床研究における電子健康記録データの利用 – 産業界のためのガイダンス」最終版を公表しました。

第64号 2018.7.18公開

本ガイドラインは、臨床研究における電子健康記録(EHR)データ利用を奨励し、EHRと電子的データ収集(EDC)システム間のデータ標準化と相互運用性の拡大を促進して、21世紀医療法に規定された要求事項を充足することを目的としています。

本ガイドラインでは、EHRおよびEHRデータを保存・統合するEHR臨床データウェアハウスから収集したデータを適用対象としています。臨床研究で対象となる領域は以下の通りです。

  • 人体用医薬品・バイオ医薬品、医療機器およびコンビネーション製品の前向き臨床研究
  • 臨床試験用新医薬品申請(IND)もしくは研究医療機器適用除外(IDE)として実施されない、海外の臨床研究

FDAは、「経済的および臨床的健全性のための医療情報技術に関する法律(HITECH法)」に基づいて、保健福祉省(HHS)の全国医療IT調整室(ONC)が所管する医療IT認証プログラムの認証を受けたEHRシステムの利用を推奨しています。

他方、ONCの認証を受けていないシステムについては、適正なコントロールにより、データの機密性、完全性、可用性が保証されていることを示すために、以下のような点を考慮するよう推奨しています。

  • 臨床研究施設におけるEHRシステム利用のためのポリシーと手順が適正に設定され、研究データを保護するために導入された適切なセキュリティ対策がある
  • 電子システムへのアクセスが、権限付与されたユーザーに限定されている
  • 記録の著者が特定できる
  • データへの変更を追跡するために、監査証跡が利用可能である
  • 適用され得る規制により記録が求められる限り、FDAの査察のために、記録が利用可能で、保持される

当該記事が関係機関に及ぼすと考えられる影響

医療機関

・医療機関が、ONCの認証を受けていない電子健康記録(EHR)システムから生成されたデータを臨床試験に提供する場合、データ品質や安全性を保証する業務プロセスが発生するので、臨床試験計画策定の早期段階から、役割・責任の分担を明確化しておく必要がある。

製薬メーカー/医療機器メーカー

・米国との国際共同臨床研究で、EHRデータをリアルワールドデータ(RWD)/リアルワールドエビデンス(RWE)に利用する製薬メーカー/医療機器メーカーは、データソースのシステムがONCの認証を受けたものか否かをあらかじめ確認し、必要な措置を講じた上で、臨床試験の進捗状況を継続的にモニタリングしながら、データを管理する必要がある。

サプライヤー

・臨床試験のデータソースとなるEHRシステムに関連するサービスを提供するサプライヤー/パートナー企業は、試験期間中のシステムに係る改変やインシデント等がセキュリティ/プライバシー対策に及ぼす影響度をあらかじめ確認して、説明できるようにしておくことが必要である。

ライフサイエンス・ヘルスケアに関する海外サイバーセキュリティニュース

デロイト トーマツ リスクサービス株式会社のサイバーセキュリティチームでは、ライフサイエンス・ヘルスケア業界に向け、海外の規制情報やそれに伴う関係業界への影響について情報提供しています。(不定期刊行)

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