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米フェイスブックがニューヨーク大学とMRIのAI利用研究で連携

【第66号】ライフサイエンス・ヘルスケアに関する海外サイバーセキュリティニュース

2018年8月20日、米国のソーシャルネットワークサービス(SNS)企業フェイスブック(Facebook)のAI研究グループ(FAIR:Facebook Artificial Intelligence Research)は、ニューヨーク大学医学部の放射線部門と連携して、磁気共鳴画像(MRI:Magnetic Resonance Imaging)検査のスキャン時間を10倍速くするために、人工知能(AI)の利用を検討する共同研究プロジェクト「fastMRI」を実施することを発表しました。

第66号 2018.8.20公開

このプロジェクトでは、MRI機器の操作方法を変えることに焦点を当てており、キャプチャするデータ容量を減らしながら、人工ニューラルネットワークを利用して、画像の認識率を向上させることにより、スキャン時間を短縮することを目標としています。

ニューヨーク大学医学部放射線部門の高度医用画像イノベーション・研究センター(CAI²R:Center for Advanced Imaging Innovation and Research)は、2016年から、AIを利用したMRIスキャン時間の短縮に関する研究を行ってきましたが、AIに関する知識や大容量計算処理リソースが課題となっていました。他方、フェイスブックのFAIRグループは、AI利用がリアルワールドに大きなインパクトを与える研究領域を探していました。今回の「fastMRI」に関しては、双方の思惑が一致し、共同研究で合意するに至りました。

なお、プロジェクトで利用する患者の医用画像データ(症例1万件、かかと・脳・肝臓の磁気共鳴画像約300万件)については、ニューヨーク大学医学部が、同大学臨床試験審査委員会(IAB)の承認した研究プロトコルおよび「医療保険の携行性と責任に関する法律(HIPAA)」のセキュリティ/プライバシールールに準拠して、保護対象保健情報(PHI:Protected Health information)の収集・加工・保存・分析作業を行う計画です。フェイスブック側の保有データは一切研究に利用しないとしています。

当該記事が関係機関に及ぼすと考えられる影響

医療機関

・この研究プロジェクトでは、ニューヨーク大学医学部が一義的にデータリスク管理に関わる業務を所管している。ソーシャルネットワークサービス企業と共同で医療分野のデータ研究を行う医療機関は、あらかじめ異業種連携組織におけるデータリスク管理ポリシーを策定し、データマネジメントに係る手順や役割分担を明確化した上で、実務を行う必要がある。

製薬メーカー/医療機器メーカー

・医療機関やソーシャルネットワーク企業と共同で、医療AIに関するデータ研究を行う製薬メーカー/医療機器メーカーは、データの品質管理の観点から、研究チームが、リアルワールドデータ(RWD)/リアルワールドエビデンス(RWE)に関する規則/ガイドライン類を遵守してバリデーション等の業務を行えるよう助言/支援する必要がある。

サプライヤー

・医療機関やソーシャルネットワーク企業、製薬メーカー/医療機器メーカーが共同で実施する医療AI研究プロジェクト向けに製品/サービスを提供するサプライヤー/パートナーは、複数業種・業界のセキュリティ/プライバシー要求事項に対して、効率的に対応できるRegTech(規制対応 × IT)ソリューションを開発・提供すべきである。

ライフサイエンス・ヘルスケアに関する海外サイバーセキュリティニュース

デロイト トーマツ リスクサービス株式会社のサイバーセキュリティチームでは、ライフサイエンス・ヘルスケア業界に向け、海外の規制情報やそれに伴う関係業界への影響について情報提供しています。(不定期刊行)

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