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カナダ保健省が医療機器市販後安全対策規制改正草案を公表

【第86号】ライフサイエンス・ヘルスケアに関する海外サイバーセキュリティニュース

2019年6月14日、カナダ連邦政府の保健省は、医療機器使用時の安全性および有効性を改善することを目的とする「食品医薬品法における特定の規制を修正する規則(医療機器の市販後調査)」を公表し、パブリックコメントの募集を開始しました(募集期間:2019年8月26日まで)。

第86号 2019.7.3公開

同省は、2018年12月7日、「ガイダンス文書草案:医療機器サイバーセキュリティの市販前要求事項」を公表していました。今回の草案では、医療機器市販後安全対策について、新たに以下のような要求事項を掲げています。

  • 要請があれば、製品の安全性評価を実施し、問題が特定された時、さらなる安全性テストを行う
  • 要請があれば、カナダ保健省が市販後安全性レビューを実施できるように、製品の安全性および有効性に関する分析を提供する
  • すべての既知の有害事象、報告のあった問題、インシデント、リスクに関する年次概況報告書を準備し、リスクまたはベネフィットに関する変更の有無をカナダ保健省に通知する


今回の草案に先立ち、カナダ保健省は、2018年12月20日、医療機器に係る安全性、有効性、品質の継続的改善に向けた医療機器行動計画を公表し、以下のような行動計画およびタイムラインを示しています。

  • 第1部:市場における機器の入手方法の改善
    1. 医療専門家による研究の拡大と患者保護の拡大(2019年早期に開始)
    2. エビデンス要求事項の見直しと科学的専門性の拡張(2019年1月に開始)
  • 第2部:モニタリングとフォローアップの強化
    1. 報告義務の導入とカナダ医療機器センチネルネットワークの拡張(2019年2月に開始)
    2. 医療機器の安全性・有効性に関する情報を強いる機能の創設とリアルワールドエビデンスの利用の拡張(2019年早期に開始)
    3. 査察と法執行における能力の強化(2019年に開始)
  • 第3部:カナダ市民に対する一層の情報の提供
    1. 医療機器臨床データへのアクセスの改善(2019年早期に完了)
    2. 医療機器承認に関する情報の拡大と医療機器インシデントデータの公表(2019年1月に開始)
       

なお、カナダ保健省は、米国食品医薬品局(FDA)とともに、国際医療機器規制当局フォーラム(IMDRF)の医療機器サイバーセキュリティ作業部会で、国際規制調和のリード役を担っています。

当該記事が関係機関に及ぼすと考えられる影響

医療機関

・各国の医療機器規制当局とも、サイバーセキュリティ対策を含む市販後安全対策を強化する傾向にある。医療機関は、安全性情報やセキュリティ・インシデント対応の起点となるので、導入している医療機器の製造・販売事業者および患者との間のリスクコミュニケーション体制を効率化するとともに、製品トレーサビリティなど、サプライチェーンリスクマネジメントを強化する必要がある。
 

医療品メーカー/医療機器メーカー

・医療機器の製造・販売事業者は、規制当局から追加的な市販後安全性レビューやインシデント報告を求められても、迅速に対応できるよう、安全性に係る記録やデータの管理方法などを見直して、規制対応の効率化を図る必要がある。
 

サプライヤー

・医療機器メーカー向けに製品・サービスを提供するサプライヤーは、医療機器製造・販売事業者に対する規制当局の要求事項を把握し、医療機器のサプライチェーンマネジメント全体の観点から、追加的な市販後安全対策がもたらすインパクトをあらかじめ想定しておく必要がある。

ライフサイエンス・ヘルスケアに関する海外サイバーセキュリティニュース

デロイト トーマツ グループのサイバーセキュリティチームでは、ライフサイエンス・ヘルスケア業界に向け、海外の規制情報やそれに伴う関係業界への影響について情報提供しています。(不定期刊行)

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