最新動向/市場予測

米国メリーランド大学が医療サイバーセキュリティ/AI研究連携を強化へ

【第90号】ライフサイエンス・ヘルスケアに関する海外サイバーセキュリティニュース

2019年8月12日、米国のメリーランド大学ボルチモア校(UMB)とメリーランド大学ボルチモアカウンティ校(UMBC)は、UMBが有する臨床医療研究機能とUMBCが有するサイバーセキュリティや人工知能/機械学習の専門技術を活用して、サイバー攻撃から医療データや機器を保護するとともに、データに基づく医療研究の拡大にむけて協力するために連携することを発表しました。

第90号 2019.9.3公開

具体的には、UMB傘下の臨床・橋渡し研究所(UMB-ICTR)の情報学コアに、UMBCのサイバーセキュリティ・人工知能コアを追加する予定です。それによって、大規模データセットを分析し、機器やシステムに関連するサイバーセキュリティ・リスクを発見・克服するために、どのような追加データを収集できるかを決定する機械学習モデルの設計を実現することをめざすとしています。

加えてUMBCは、国立衛生研究所(NIH)の資金を受けた「臨床・トランスレーショナル科学賞(CTSA)」のボルチモアにおけるハブを支援するために、UMBやジョンホプキンス大学と連携しながら、以下のようなサイバーセキュリティ/AIの中核的機能(UMBC-ICTR)を提供するとしています。

  • 医療機器のセキュリティ
  • スマートシステム(例.スマート手術室)のセキュリティ
  • 攻撃からの学習済/予測モデルの保護
  • 深層学習および人工ニューラルネットワーク
  • 自然言語処理
  • グラフ分析
  • 時系列分析
  • 人工現実(AR)および仮想現実(VR)によるデータ可視化

なお、UMBCは、2019年7月24日、慶應義塾大学(日本)、九州大学(日本)、ノースイースタン大学(米国)、インペリアル・カレッジ・ロンドン(英国)、ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校(英国)とともに、国際サイバーセキュリティ拠点に関する憲章協定(International Cybersecurity Center of Excellence Charter Agreement)を締結しています。

当該記事が関係機関に及ぼすと考えられる影響

医療機関

・米国以外の国・地域でも、臨床現場の医療専門家と工学系教育・研究機関のサイバーセキュリティや人工知能/機械学習の専門家が連携して、医療データ分析・利活用やデータリスク管理のソリューション開発に取組むケースが増えることが見込まれる。今後、医療機関側でも、医工連携に向けた多職種間の人材交流・情報共有を促進する必要がある。
 

医療品メーカー/医療機器メーカー

・医療機関と共同でデータ利活用に取組む医薬品・医療機器メーカーは、臨床現場の医療専門家と工学系教育・研究機関のICT専門家の連携プロジェクトに、早期段階から参画して、サイバーセキュリティやデータリスク管理に関するノウハウをプロジェクト横断的に活用できる仕組みを構築しておく必要がある。
 

サプライヤー

・医療機関向けにICT関連製品・サービスを提供するサプライヤーは、サイバーセキュリティや人工知能/機械学習など、新技術導入・運用に係るデータリスクの評価・管理策の強化に注力しておく必要がある。

ライフサイエンス・ヘルスケアに関する海外サイバーセキュリティニュース

デロイト トーマツ グループのサイバーセキュリティチームでは、ライフサイエンス・ヘルスケア業界に向け、海外の規制情報やそれに伴う関係業界への影響について情報提供しています。(不定期刊行)

>>過去記事のアーカイブから他の記事を見る

サイバーリスクサービスのお問い合わせ

サービス内容、並びに、取材・広報・講演依頼に関するお問い合わせは、下記フォームにて受付いたします。お気軽にお問い合わせください。 

>> オンラインフォームよりお問い合わせを行う <<

お役に立ちましたか?