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EUが医療機器規則(MDR)の専門家パネルを設置へ

【第92号】ライフサイエンス・ヘルスケアに関する海外サイバーセキュリティニュース

2019年9月10日、欧州委員会は、「医療機器分野における専門家パネル選任に関する欧州議会・理事会規則(EU)2017/745適用のための規則に係る2019年9月10日付欧州委員会施行決定」を公表しました。

第92号 2019.10.2公開

この専門家パネルは、欧州理事会、医療機器調整グループ(MDCG)、加盟国、適合性評価機関、製造者に対して、規則(EU)2017/745(MDR:医療機器規則)に関連する科学的、技術的、臨床的支援を提供するとともに、欧州議会・理事会規則(EU)2017/746(IVDR:体外診断用医療機器規則)の第48条(6)に対応した視点を提供することを目的としています。

2020年5月26日のEU医療機器規則(MDR)完全施行に向けて設置される専門家パネルの対象領域は以下の通りです。

(1) 整形外科、外傷学、リハビリテーション、リウマチ

(2) 循環器系

(3) 神経学

(4) 呼吸器系、麻酔学、集中治療

(5) 内分泌学、糖尿病

(6) 一般および形成外科と歯科

(7) 生殖医療を含む産婦人科

(8) 胃腸病学と肝臓学

(9) 腎臓学と泌尿器学

(10) 眼科

(11) 体外診断用医療機器(IVD)

サイバーセキュリティについては、専門パネルの対象領域に入っていませんが、現行のEU医療機器指令(MDD)に基づき設置された医療機器調整グループ(MDCG)が、コミュニケーションネットワーク・コンテンツ・技術総局(DG-CONNECT)などと連携しながら、EUサイバーセキュリティ法(2019年6月27日施行)に基づき制定された欧州サイバーセキュリティ認証フレームワークの取扱などについて、検討を進めています。今年中には、医療機器ソフトウェアのサイバーセキュリティ要求事項を取りまとめたガイドラインが提示される見通しです。

現在、EU全体レベルでは、欧州ネットワーク・情報セキュリティ庁(ENISA)からEUサイバーセキュリティ庁への改組・権限強化に向けた取組が進んでおり、新組織と、MDCGや各国・地域の医療機器規制当局、医療現場との連携動向も注目されます。

当該記事が関係機関に及ぼすと考えられる影響

医療機関

・EU医療機器規則(MDR)による域内統一ルール化の動きとサイバーセキュリティ領域の域内統一ルール化の動きは必ずしも同期しておらず、個々の国・地域によって状況が異なる。医療機器を使用する医療機関は、サイバーセキュリティに係る法規制が新設・改変の過渡期にあることを認識しながら、コンピューター・セキュリティ・インシデント対応チーム(CSIRT)などの対策を行う必要がある。
 

医療品メーカー/医療機器メーカー

・EU域内でビジネスを展開する医療機器メーカーは、サイバーセキュリティに係る法規制の適用範囲や要求事項の新設・改変が続くことを前提として、申請前の事前対策や市販後安全対策を遂行する体制を作っておく必要がある。
 

サプライヤー

・EU域内でビジネスを展開する医療機器メーカー向けにICT関連製品・サービスを提供するサプライヤーは、EU医療機器規則(MDR)の動向と合わせて、サイバーセキュリティに係る法規制の動向を注視しながら、サイバーサプライチェーン・リスクマネジメントの実務を行う必要がある。

ライフサイエンス・ヘルスケアに関する海外サイバーセキュリティニュース

デロイト トーマツ グループのサイバーセキュリティチームでは、ライフサイエンス・ヘルスケア業界に向け、海外の規制情報やそれに伴う関係業界への影響について情報提供しています。(不定期刊行)

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