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サイバーセキュリティ領域で女性が活躍するために必要な労働環境や男性による支援とは

Leading Cyber Ladies Tokyoのコミュニティを交えてワーキングマザーをテーマに議論

2023年7月15日(土)、サイバー業界で活躍する女性を応援するコミュニティ「LCL Tokyo(Leading Cyber Ladies Tokyo)」による2023年夏イベントが、デロイト トーマツのオフィスとオンラインのハイブリッドにて開催されました。

2023年7月15日(土)、サイバー業界で活躍する女性を応援するコミュニティ「LCL Tokyo(Leading Cyber Ladies Tokyo)」による2023年夏イベントが、デロイト トーマツのオフィスとオンラインのハイブリッドにて開催されました。本イベントはサイバーセキュリティ・コミュニティに属する女性たちが安全で親しみやすい環境を作ることで、多様性、代表制、平等性を高めることを目的としており、今回のイベントでは「ワーキングマザー」に焦点を当て、サイバー業界で活躍する女性のキャリア、子育て、その活躍をサポートするための労働環境、男性職員による支援について参加者による議論が行われました。

本イベントは、デロイト トーマツ グループにてサイバー領域で活躍する女性グループ「Women in Cyber」が支援しており、会場にお子様同伴で参加いただけるようチャイルドケアの提供を行いました。

 

LCL Tokyoとは

LCL(Leading Cyber Ladies)はイスラエルのテルアビブ在住のサイバーセキュリティ技術者ケレン・エラザリ氏を中心に設立され、その後アメリカ・ニューヨーク、カナダ・トロント、東京など世界各地に広がりました。LCLのミッションはサイバーセキュリティ領域にいる女性をイベントやネットワーキングを通じてインスパイアしていくことであり、ダイバーシティ(多様性)、レプレゼンテーション(再表現)、対等を拡大していくことをゴールに掲げています。篠田佳奈氏設立のLCL-Tokyoも同様に、サイバーセキュリティ業界の女性をサポートすることをミッションに掲げており、社会人グループに加え学生グループを発足し、イベント等を実施しています。

本イベントでの議論

今回のイベントでは「ワーキングマザー」に焦点を当て、サイバー業界で活躍する女性のキャリア、子育て、その活躍をサポートするための労働環境、男性職員による支援について、また今後サイバーで活躍する人材を増やす対策について、次の4つの議論が行われました。

1)セキュリティ業界のワーキングマザーが考える育休・産休の課題

セキュリティ業界で働くワーキングマザーが感じている課題について、パネルディスカッションが行われました。その中で、育休・産休に関する話題が上がり「育休・産休の手続きが可視化・体系化されていないことが多く、取りづらい」や「ワーキングマザーの先輩が、これから育休・産休を取得する女性社員にノウハウを受け継ぐなどしているが、休暇取得の根本的な解決策となっていない」などの意見に加え、「休暇中に(業務・知識の)後れを取る心配が大きく、特にセキュリティ業界の動きが速いため、1・2年の休暇でもキャッチアップしなければいけない量が多い」というセキュリティ業界で働く上での不安について意見が上がりました。これらの問題の解決策として、ワーキングマザーへのサポートをより充実させ、育休、産休の取得の手続きの可視化等を行う必要があると結論に至りました。

2)女性管理職を増やすための環境づくり、評価制度

近年多くの企業が女性管理職を増やす活動を行うも、大幅な増加が見られない件について議論が行われ、「女性には自身を過小評価し、成果を上げていてもアピールすることに消極的な傾向があるのではないか」という意見が上がりました。女性管理職等の活躍する女性のRole Modelが少なく、目指すべき姿が想像しにくいことも要因と考え、解決策として、社会や企業が多くの女性のロールモデルを輩出・アピールし、目指すべき姿が想像しやすい環境を作ることが重要ではないかという結論に至りました。また、人事評価制度について、「経験値」のみを指標にしてしまうと、女性の産休・育休によるハンデが必然的に出てしまうため、他の基準も設ける必要があるという意見も出ました。

3)女性がより活躍する社会・企業実現に向けた男性の取り組み

女性の活躍を広げるためには、男性をはじめとした周囲のサポートも必要不可欠である点についても議論が行われ、男性参加者からは「男性は中立の立場をとることが多いが、それだけでは変化は起こせないため、男性が当事者意識を持つことが大切である」や「女性からの働きかけを待っているのでは遅い。会社のシステムを変えられる立場にいる男性も積極的に動くべき」という意見が上がりました。社会・企業において重要なポストに就いている男性が特に、当事者意識、課題意識を持ち、アクションを起こすことが、女性がより活躍する社会・企業の実現を大きく後押しするため、重要であると議論がまとまりました。

4)男女問わず若い世代がサイバーに関心を持ち、職業の選択肢とする環境づくり

日本では高校在学時に、理系・文系の選択を行うが、理系に進む女性が少ない傾向であり、ジェンダーフリーで理系分野、特にサイバー領域を選んでもらうためにどのようなアクションが必要であるかの議論が行われました。ネット環境に接する年齢が若年化している今、小学生・中学生からサイバーの楽しさを知る環境づくりが重要ではないかという意見があり、小学生を含む若い世代を対象に、プログラミングやテクノロジーなどサイバーの世界に関心を持つきっかけとなる教育やイベントをWomen In Cyber、LCLのようなコミュニティが率先して行っていくことが重要だと意見がまとまりました。今後もより多くの女性がサイバーや理系の業界に興味を持ち、参加する環境を作るべく、Women In Cyber、LCLが引き続き活動に取り組むという結論に至りました。

デロイトにおけるサイバーセキュリティ業界の女性活躍支援について

本LCL Tokyoのイベントは、デロイト トーマツ グループにてサイバーで活躍する女性グループ「Women in Cyber(WIC)」支援のもと開催されており、イベント会場の提供等を行っております。WICはサイバー業界で活躍する女性のキャリア支援、スキル向上、Happiness向上のための活動を2つの主軸を中心に行っております。1つ目の主軸は女性の応募・採用数の増加のための活動で、イベントやSNSでの情報発信を行っています。2つ目の主軸は女性の定着・昇格率増加のための活動で、女性職員のための相談窓口設置や女性スタッフ交流会やステークホルダーとの懇談会などを開催しています。これからも、女性がより活躍しやすい環境を作っていけるように活動し続けます。

採用情報

デロイト トーマツ グループでは、サイバー分野で活躍する女性を支援しています。採用情報については、こちらをご確認ください。

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