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米国紛争鉱物開示のサプライチェーン調査の実務

2010年7月21日に米国で成立したドッド・フランク法に定められている紛争鉱物に関する開示制度は、紛争鉱物と称する特定の鉱物の自社製品への使用状況をサプライチェーンをさかのぼって調査し、その結果を年次報告書にて開示する、というものである。本稿では、まず開示制度案全体を改めて確認したうえで、当該制度の日本企業への影響および必要な調査の概要について、本稿執筆(2011年9月5日)時点での情報に基づき解説する。

これからのサプライチェーン

2010年7月21日に米国で成立したドッド・フランク法(金融規制改革法、以下単に「法」という)に定められている紛争鉱物に関する開示制度(以下、「同制度」とする)は、紛争鉱物と称する特定の鉱物の自社製品への使用状況をサプライチェーンをさかのぼって調査し、その結果を年次報告書にて開示する、というものである。この制度は、そもそもコンゴ民主共和国およびその周辺国(the Democratic Republic of the Congo or an adjoining country。以下、「DRC諸国」という) で行なわれている紛争において、武装勢力が鉱物の不法採掘を通じて資金を得ていることに起因する。2010年12月15日には、法に基づき、米国証券取引委員会(SEC)が同法の実務に関する具体的な規則案を公表し、現在 その最終化が進められている(法および規則案を合わせて、以後「制度」ないし「制度案」という)。

制度案上、開示対象となる鉱物は、携帯電話、コンピュータ、自動車及びゲーム機などに使われる部品に広く使用されている。そのため、米国製造業に部品を納める日本企業は、当該制度の適用を受けることになると見られる。

本稿では、まず開示制度案全体を改めて確認したうえで、当該制度の日本企業への影響および必要な調査の概要について、本稿執筆時点(2011年9月5日)時点での情報に基づき解説する。

 

本資料は以下の構成でまとめている。

1.制度の概要

 1.1 制度内容

 1.2 紛争鉱物

 1.3 導入時期

2.制度案の具体的内容

 2.1 同制度が適用されるかどうかについての確認

 2.2 コンゴ民主共和国又は周辺国産出の鉱物であるかどうかの判定

 2.3 デューディリジェンス手続の実施と紛争鉱物報告書の提出

  2.3.1 デューディリジェンス手続の実施

  2.3.2 紛争鉱物報告書の提出

3.日本の部品メーカーへの影響

4.3TG金属にかかるサプライチェーン調査

 4.1 部品の含有物の調査

 4.2 原産地の調査

 4.3 デューディリジェンスの実施

5.OECD ガイダンス

 5.1 強固な管理システムの構築

 5.2 サプライチェーンにおけるリスクの特定と評価

 5.3 識別されたリスクに対する戦略の立案と導入

 5.4 製錬所/ 精錬所が実施するデューディリジェンスに対する独立第三機関による監査の実施

 5.5 デューディリジェンス結果の年次報告

6.効果的な制度導入

7.米国企業の動向

8.付録

(2.5MB, PDF)
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