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何がクライシス・マネジメントの成否を決めるのか

危機的な不祥事が発生した場合にどのように対応すればダメージを最小限に抑えられるのか、実務経験の豊富な専門家3人が語る。(Business Law Journal 2016.2掲載)

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■ 情報コントロールの限界
■ 平時の情報共有体制がカギ
■ 注意すべき「行政」の視点
■ クライシス・マネジメントが企業を強くする


山口利昭法律事務所
弁護士 山口 利昭氏

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
パートナー 公認会計士 築島 繁

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
シニアヴァイスプレジデント 小杉 徹 

初動で失敗する企業の特徴

築島: 最近、企業が不祥事により危機的状況に陥る事例の報道を目にしない日はありません。しかし多くの企業は、クライシス発生への備えについてまだ積極的ではないように感じます。

小杉: これまで危機対応サポートに携わってきた経験から申し上げると、最近の事例では、顧客や取引先、官公庁といったステークホルダーときちんとコミュニケーションがしきれずに失敗することが多いように思います。

山口氏: そうですね。平時に広告宣伝等で、すべてのステークホルダーに対して誠実であることをアピールしていたような企業が、いざ有事になると、多くのステークホルダーの中でどのように優先順位をつけるべきか的確に判断することができなくなってしまうという事態はよく見られます。

築島: 初動で失敗するケースの特徴として、経営トップ層が実際に起こっている危機を過小評価して「震度」を見誤ることが挙げられます。

山口氏: 企業の「中」の人が、危機を危機として認識することは非常に難しいと思います。最近の事例でも、偽装の公表やリコール拡大を経営層に決意させるのは外部の弁護士や社外取締役が多いですよね。

小杉: 当社がお手伝いしたケースでも、当初の調査スコープから、予想外の事象が発生し、調査範囲を拡大せざるを得なくなったということがありました。これも、経営陣の認識のズレが浮き彫りになった事例だといえるでしょう。

築島: 社内的には、とかく自らの正当性を説き、震度を低くしようとする説明に寄っていくものです。しかし、それを世間が聞いたらどう感じるか。その視点を持てるかどうかが、危機対応における対外的なコミュニケーションや戦略の立て方のカギを握ると思います。
 

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