ナレッジ

水産業に潜む粉飾決算リスク

粉飾決算の概要や発見のポイント

過去の事例から粉飾決算の手口の解説やその発見のポイント を解説する。「週刊 金融財政事情」2010年7月19日号(2892号)掲載

循環取引発生の契機

循環取引とは、複数の企業・当事者が互いに通謀・共謀し、商品の売買や役務の提供等の相互発注を繰り返すことで、売上高を計上する取引手法の総称である。売上高をかさ上げして企業の成長性・収益性を実態より高いようにみせかけるケースや、経営者から過度の売上達成のノルマを課せられて営業担当者や営業管理職が手を染めるケースがある。循環取引にはさまざまな形態があり、その条件も多様である。資金の決済まで実行されている場合、粉飾を発見することは容易ではない。

循環取引による不正がIT産業、食品業をはじめ、あらゆる産業で頻繁に起こる背景としては、在庫の調達から最終消費者への販売に至る商流のなかで転売や介入取引がごく一般的に行われている状況がある。すなわち、資金繰りのための在庫調整や会社間の取引関係から生じる介入取引など、それ自体は違法ではない取引がいつの間にか経済合理性のない循環取引に変質していくリスクをはらんでいる。

循環取引に使われる商品は多種多様である。IT業界では、実際には役に立たないソフトウェアなどが循環取引用の商品として使われる。そして、循環取引に使う商品は出荷されず、一つの倉庫にとどまっていることが多い。商品は移動せずに、伝票だけがぐるぐる回ることになる。金融業では金銭(貸出金、貸付金)そのものが循環取引に利用される。水産業では、循環取引を「ぐるぐる回し」「回し」「魚転がし」などと呼んでいる。

続きは添付ファイル[PDF]をご覧ください。
 

(178KB,PDF)

関連するサービス

企業再生、フォレンジックに関する最新情報、解説記事、ナレッジ、サービス紹介は以下からお進みください。
■ 企業再生:トップページ
■ 不正対応・係争サポート:トップページ
 

シリーズ記事一覧

■ 業種別粉飾決算 ~粉飾決算の概要や発見のポイント~
お役に立ちましたか?