調査レポート

企業の不正リスク実態調査 2016

Japan Fraud Survey 2016

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社と有限責任監査法人トーマツは、全上場企業を対象に企業の不正リスク実態調査を行い、402社の企業の皆様から回答を得ました。本調査では、発生した不正の実態および対応の実態、不正防止および早期発見への取り組みという2つの側面からアンケート結果を分析しています。

前回調査(2014年3月末時点)から2年余りが経過しました。その間においても、多くの企業で不正が発生しております。また、その内容は多岐にわたるとともに、企業の運命を大きく左右する場合も少なくありません。このような状況から、規制当局の不正に対する姿勢の厳格化や投資家からの要請、監査における不正リスク対応基準の適用と各監査事務所での運用強化など、企業不正に対応していくための取り組みも着実に進行していると思われます。また、海外事業を含めたグループ全体のコンプライアンス強化および制度運用に関する取り組みも、多くの企業で見られるところです。しかしながら、不正を誘発する事業環境の改善や動機の抑制、不正正当化の排除、機会の縮小化は一朝一夕には達成できないこともまた事実です。

本レポートでは、402社の企業の皆様からご回答をいただきました。本調査で判明した事項は以下のとおりです。

エグゼクティブサマリー

発生した不正の実態

(1) 過去3年間に概ね4社に1社の割合で不正が発生しており、不正の発生割合(※1)は減少していない
(2) 不正の類型では、「不正な財務報告」「汚職」「その他の不正」の割合が増加している
(3) 不正の発生拠点では、海外子会社の不正が多くなっている
(4) 不正の継続期間では、「6ヶ月未満」の割合が増加している一方、「2年以上5年未満」の割合も増加している。不正の継続期間は二極化している
(5) 組織的動機による不正が増加している
(6) 不正実行額は「不正な財務報告」で多額になり、不正発覚後の追加損失額(※2)は「汚職」で多額になる
(7) 内部通報による発覚割合が増加している


不正への対応の実態

(1) 重要性がないため不正事実を公表していない企業の割合が増加している
(2) 不正調査は調査体制を組成して実施されているが、社内メンバーのみのケースが多い

不正防止および早期発見の取り組み

以下の事項が重要課題として識別されている

(1) 情報漏洩対策
(2) 海外子会社の不正への対応
(3) 不正対策における現状把握・意識調査
(4) 不正発覚時の対応の準備

※1 不正の発生割合:本調査において回答のあった企業のうち、過去3年間に不正事例があったと回答した企業の割合
※2 追加損失額:不正発覚に伴う追加費用・損害(課徴金、外部専門家利用による追加費用、取引先への補償金等)

 

調査概要

調査対象範囲:全上場企業(今回の発送件数 3,631件)

調査方法:全上場企業に対してアンケート調査票を送付し、回答を得る方式により実施(回答件数 402件)

第一部:不正の実態
回答企業のうち、過去3年間に不正が発生したとの回答があった企業を集計している。集計対象となった不正事例は、過去3年間に発生した不正のうち、損害金額が最大であった事例である。

第二部:不正に対するする取り組み
過去3年間に不正が発生したかどうかにかかわらず、回答企業の全てを集計している。

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あらゆる企業不祥事の調査を専門とするスペシャルチームである。不正・不祥事が発覚した企業に対しては、弁護士や企業担当者と連携し最短かつ効果的な事実解明や解決策の提供し、信頼性ある調査結果を提供するばかりでなく、再発防止策の策定や不正実行者の責任追及等、調査後も企業価値の回復に向けて継続的な支援を行っている。 

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