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2021年、コロナ時代の新しい夜明け

APリスクアドバイザリー メールマガジン|2021年新年特別配信

皆様、お世話になります。リスクアドバイザリー・アジア大洋州日系企業サービス責任者の柳澤でございます。まずは謹んで初春のお慶びを申し上げます。

2020年はコロナという未曽有のクライシスによって私たちを取り巻く環境が激変し、ビジネスはもとより私生活のあり方も大きく変化した1年でした。アジア大洋州は地理的、政治的、文化的など様々な面で多様な地域ですが、コロナが与えた影響やその地域での取組もそれぞれ特徴があったように感じています。

私は在シンガポールですが、最も大きな変化の一つはやはり国際間移動ができなくなったことだと感じています。これまではアジア大洋州内で国境を越えて飛び回り、各地の経営環境とそこで奮闘される日系企業の皆様に直接触れることで、どうすればお役立ちができるかを実態に基づいて考え実行することが出来ていました。しかしながら昨年は、コロナによる移動制限によって、新しい価値提供の在り方を模索する1年でした。

一方で、良い兆しもあります。2枚の写真をお届けします。

1枚目はシンガポールの沖合を無寄港で数日間周遊するステイケーション用のクルーザー、2枚目はシンガポールのランドマークでもあるマリーナベイサンズ。いずれもシンガポールの国策としての安全、健康対策と経済政策が実を結び、コロナウイルスに立ち向かう活気をもたらしてくれています。

これはアジアにおける重要な経営施策を示唆していると感じています。改めてビジョンや経営方針を明確化すること、それらを実践するための明確な施策、また、徹底して浸透・定着させるマネジメントの忍耐力、そして何よりアジアでは人材がやはり重要であると再認識しています。日本と異なり、アジア諸国ではジョブホッピングが定着していますが、人材を大切にして国籍を超えた信頼関係、企業へのロイヤリティを作ることが出来れば、一度成長を求めて外に出た従業員がまた戻ってくることは十分に考えられます。むしろ自社で人材を育てて外で活躍してもらい社会全体の底上げにつながればという気持ちで、自社のコア人材を育成する経営姿勢が、人を惹きつけ、人を引き留める重要な無形の経営基盤になっていくと考えています。この1年、デロイト トーマツ グループもビデオ会議システムを利用し、座学型、ワークショップ型での人材育成を多数支援しました。国策としてデジタルやクライシスという新しい経営環境下で活躍できる人材育成施策がアジア地域では明確に打ち出されていることからも、引き続き社会貢献の意欲で取り組んでまいりたいと考えております。

様々な変化は起こり続けますが、これは新しい時代の幕開けでもあります。2021年が皆様にとって実り多い一年となることを祈念しております。

執筆:柳澤良文
※本ニュースレターは、2021年1月8日に投稿された内容です。

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ap_risk@tohmatsu.co.jp

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