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デロイト トーマツ、ISID共催、非金融事業者による金融事業参入セミナー

非金融事業者による金融事業参入に関してデロイト トーマツ グループ、ISIDの専門家が講演

2018年9月7日、デロイト トーマツ グループ、電通国際情報サービス(ISID)は、セミナー「異業種による金融事業参入セミナー~トランザクションレンディングの活用~」を開催しました。本セミナーにおいては、「ビッグデータ活用による非金融機関の金融事業参入」、「金融サービスのアンバンドリングとリバンドリングの潮流」、「ベンチャー企業との協業による金融領域新規事業の生み出し方」などのテーマにおいて、プロフェッショナルによる講演が行われました。

非金融機関における金融事業参入の要諦 ~トランザクションレンディングの戦略的活用~

- 有限責任監査法人トーマツ パートナー 桑原 大祐
- 有限責任監査法人トーマツ マネジャー 伊藤 寛明
- 有限責任監査法人トーマツ 安岡 由依

本セッションでは、「オルタナティブレンディングとしてのトランザクションレンディング(データレンディング)とは」「伝統的な銀行融資とその限界」「モデルの構築」についてご紹介しました。

トランザクションレンディングとは(概略)
トランザクションレンディングとは企業が独自に保有しているデータ(ビッグデータ)を活用し、企業や個人の信用力の判定を行う融資形態です。このような融資形態は、企業が保有するデータを利活用できるという点に加え、現状の銀行融資における課題解決の手段となることから、国内外において増えつつある現状について解説しました。

伝統的な銀行融資とその限界(概略)
トランザクションレンディングサービスの競合となる銀行融資は、財務データに基づいた、信用力の判定を行っています。しかし、こうした決算書に基づいた信用力の判定には、決算書に表現されない企業の経営環境が評価されないことや、過去のパフォーマンスを基に評価をしてしまうことから、バックワードルッキングになってしまう等の課題があります。一方、トランザクションレンディングはリアルタイムのデータを活用するために、これらの課題の解決の手段として考えられます。また、トランザクションレンディングを活用することで、これまで融資の対象となっていたクレジットクオリティーの高いゾーンに加えて、銀行融資を受けることが困難な立場にあった、クレジットクオリティーの低いゾーンへの融資が可能となるため、既存の銀行融資に対抗しうるサービス設計が重要であることを解説しました。

モデルの構築(概略)
トランザクションレンディングのモデルは、伝統的な銀行融資が活用する財務情報等の融資申込時に入手可能なデータに基づき構築されたApplicationスコアモデルに加えて、取引履歴や返済状況等のトランザクションデータに基づき構築されたBehaviorスコアモデルを活用し、スコアリングを行います。Behaviorデータは活用できるデータにインダストリーごとの違いがあり、例えば、EC企業では加盟店の日々の売上やレビュー評価、電力会社であれば電力の消費量等の活用など、各インダストリーにおけるデータ活用例についてご紹介しました。

 

桑原 大祐
伊藤 寛明
安岡 由依

ベンチャー企業との協業による金融領域新規事業の生み出し方

- デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社 プラットフォーム事業部長 FinTechリーダー 大平 貴久

本セッションは、「金融業界を取り巻く変化」「背景にあるテクノロジーの展開と環境の変化」「将来への展望」の論点で講演を行いました。

金融業界を取り巻く変化(概略)
現在、金融領域はベンチャーの台頭、テクノロジーの変遷や法規制の変化により、FinTechというオープンイノベーションの潮流が来ていると考えられます。FinTechベンチャーの数は年々増加傾向にあり、そのような成功を収めるFinTechベンチャーは「安価なコスト」「迅速」「新たな価値」といった特徴の内、どれか1つに秀でています。そのようなベンチャー企業の参入により、金融の3要素(為替・貸付・預金)といった銀行が独占してきたような業務は、そのルールが変えられようとしていることを解説しました。例として、為替等はお互いの口座番号を知らない状況においても、無料で、即時の送金ができる、といったサービスの増加、またWallet機能により、お金の利用用途を制限できるなど、「お金(使用用途)に色をつける」ことが可能になってきていることをご紹介しました。

背景にあるテクノロジーの展開と環境の変化、将来への展望(概略)
テクノロジーの発展により、日本では超高齢化社会への対応、世界ではミレニアル世代への対応が進んでいるという、大きな違いがありますが、国内外発展の共通点として、スマートフォンの普及があげられます。そのようなテクノロジー発展の背景において、将来に注目すべき3つのトピック「Unbanked」「新しい発注&決済」「新しい与信」についてご紹介しました。これまで金融にアクセスをすることが出来なかった層の金融へのアクセスや、シームレスな発注、決済、また、スマホに集約されるあらゆる情報(位置情報やSNSデータ)による与信などが、今後ますます従来の金融領域の形を変えてゆく業界展望についてご説明しました。

 

セミナー全体のまとめ

金融領域における、伝統的な金融事業の限界、アンバンドリング・リバンドリング、FinTechベンチャー、数々の新しいサービスの台頭、そして顧客ニーズの変化、このような背景が非金融事業者による金融事業参入を促進しています。今後、非金融事業がその顧客基盤や豊富なデータを活用し、金融事業へ参入することは、ますます増えていくことが想定され、その取り組みは、企業にとって顧客のニーズに応える非常に重要なものとなってきます。

大平 貴久

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