ナレッジ

監査委員会

委員会設置会社制度における3委員会の1つ

監査委員会とは、平成14年旧商法(現会社法)改正で導入された委員会設置会社制度における3委員会の1つである。監査委員会は、取締役会内部の委員会として設置されることから、全員が取締役で組織され、各監査委員の過半数が社外取締役であり、かつ委員会設置会社等を兼ねることはできないとされている。本項では監査委員会の組織・権限・会社法施行規則との関係等を踏まえて説明する。

監査委員会とは

監査委員会とは平成14年旧商法(現会社法)改正で導入された委員会設置会社制度における3委員会の1つで、取締役・執行役の職務執行の監査および株主総会に提出する会計監査人の選任・解任・不再任の議案の内容の決定、計算書類の監査、その他会社法、会社法施行規則が定める事項を決定する。

なお、委員会設置会社とは、定款により委員会設置会社となることを選択した株式会社をいう。監査役制度の代わりに、取締役の入れ替えを議論する「指名委員会」、役員報酬の基準や額を決める「報酬委員会」、業務を監督・監査する「監査委員会」の3委員会を置く米国流の企業統治機構が特徴となっている。各委員会の委員の過半数は社外取締役にすることが必要となる。

監査委員会の組織

1) 監査委員の要件

監査委員会は、取締役会内部の委員会として設置されることから、委員会設置会社の他の2委員会と同様に、全員が取締役で組織される(会社法400条2項)。また、各監査委員の過半数が社外取締役(会社法400条3項)であり、かつ委員会設置会社若しくはその子会社の執行役若しくは業務執行取締役又は委員会設置会社の子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは支配人その他の使用人を兼ねることはできないとされている(会社法400条4項)。なお、各監査委員が他の2委員会の委員を兼任することは差し支えなく、監査委員の中に常勤者を置くことも強制されていない。

 

2) 員数・任期・選解任

監査委員の員数は、他の2委員会と同じく、3人以上で組織される(会社法400条1項)。また、任期については特段の定めはなく、取締役としての任期につき、就任後1年以内の最終の決算期に関する定時総会の終結の時までとの定めがあるに過ぎない(会社法332条1項及び3項)。

なお、監査委員の報酬についても特段の定めはなく、取締役報酬として、報酬委員会が個人別の報酬の内容を決定することになる。

そして、監査委員の選解任は、他の2委員会と同じく、取締役会の決議によっており(会社法400条2項及び401条1項)、監査委員会が取締役会による監査委員の選解任手続に直接関与することはない。

監査委員会の権限

監査委員会の業務監査権限については、監査役設置会社の監査役との比較で論じられることが多いが、各監査委員が執行役の違法行為の差止請求権を有し(会社法407条1項)、委員会設置会社が執行役もしくは取締役に対し、訴えを提起する場合に監査委員会が指名する監査委員が会社を代表する(会社法408条1項)ことから、監査役と同様に違法性(適法性)監査に及ぶことには争いはない。もちろん、会計監査についても同様である。

一方で、いわゆる妥当性監査については、明文上の規定はないが、監査役設置会社の監査役は違法性(適法性)監査の権限のみを有し、妥当性監査の権限まで有しないと解されているのに対して、監査委員会の監査権限は妥当性監査にまで及ぶと解されることが多いようである。これは、監査委員会は取締役会の監督機能(会社法404条2項1号)を高めることを目的として取締役会内部に設置された機関であること、及び監査委員は、全員が取締役会の一員として監督権限を行使する立場にある取締役である(会社法362条2項2号)からである。

監査委員会と会社法施行規則との関係

監査委員会は、前述のように違法性(適法性)監査のみならず妥当性監査を行うことを通じて取締役会の監督機能強化が期待されている。また、監査資源を確保し、これを有効に配分する組織的監査体制を整備しなければ、監査の実効性を確保することはできない。

これに関連して、取締役会決議を要する基本事項の内、「(ロ) 監査委員会の職務の遂行のために必要なものとして法務省令で定める事項」が、会社法施行規則112条で以下の通り規定されている。

 

1号. 監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項

2号. 前号の取締役及び使用人の執行役からの独立性の確保に関する事項

3号. 執行役及び使用人が監査委員会に報告をするための体制その他の監査委員会への報告に関する体制

4号. その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制

 

常勤の監査委員は強制されないことから、執行役から独立した監査委員会スタッフに関する事項を定め(1・2号)、執行部門の報告、その他監査が実効的に行われることを確保するための体制(3・4号)の整備を取締役会の責任として定めている。 これらの規定の意味するところは、監査の実効性を確保することを予定している。

お役に立ちましたか?