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Asia Risk誌主催「Risk Japan 2018」にリスク管理戦略センターのプロフェッショナルが登壇

2018年6月6日(水)@シャングリ・ラ ホテル東京

本年はバーゼルIIIの最終化を受けて、今後のバーゼルIIIの円滑な実施に向けての課題や欧米主要国において独自に導入されつつある規制がもたらす問題、新規制の導入が一段落し今後当局による「監督」の強化が進む中でのリスク管理(特にコンダクトリスクやサイバーセキュリティリスク等の非財務リスク管理)のあり方、保険業界を取り巻くリスク環境が大きく変わる中での新たなサウンドプラクティスの模索、等が大きなテーマとなりました。

講演報告

プレゼンテーション「動的監督時代に求められる非財務リスクの管理」
有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センター(CRMS)
センター長/パートナー 大山 剛 

・ポストAMA時代のオペリスク管理
・内外監督当局が注目する非財務リスク
・非財務リスクをリスクアペタイトに沿いながらシステマティックな形で管理する手法
 

概要
大山は以下のようにプレゼンテーションを行いました。

  1. バーゼルII下でのオペレーショナル・リスク量の計測手法であるAMA(先進的計測手法)は時代の先端を行き過ぎていたがために規制の世界では無理が生じてしまった。
  2. このため、バーゼルIII下ではAMAは結局廃止され代わりにSMA(標準的計測手法)が導入されたが、この結果規制資本のリスク感応 度が大幅に低下し、金融機関のリスク管理高度化に向けたインセンティブも大きく減じる惧れが出てきた。
  3. 一方で、監督の世界の中では、従来オペレーショナル・リスクの一部として扱われてきたコンダクト・リスク、サイバーセキュリティ・リスク、モデル/データ・リスク、AML/CFT等が大きく脚光を浴びるようになっており、これは時に「非財務リスク」として総称されるようになってきた。
  4. こうした非財務リスクをシステマティックに管理するにあたっては、従来型の定義に従った「財務リスクではない」個別リスクを単に寄せ集めるのではなくて、改めて組織が直面するリスクとは一体何なのかを考えた上で、その中で偶々B/SやP/Lに直接的に影響しないものが非財務リスクであるといった整理をする必要がある(これは、一般事業法人ではごく普通のリスク管理の考え方。銀行の場合は、バーゼルIIが余りに強く「信用・市場リスク=銀行が直面するリスク」という概念を確立してしまったがために、本来の重要なリスクになかなか目が向かなくなってしまった)。
  5. 方法論としては、最初にリスク(或いは非財務リスク)とは何かをしっかりと定義しスコープを定め、そこに(例えばRAをベースとした)リスクを測る物差しを導入し、計測した大きさを道標にしながら戦略遂行/リスク管理の方向性を決め、そうした方向に向かうように制御する必要がある(講演ではイメージ・スライドを用いながら、具体的にそれぞれのステップを説明)。

 

パネルディスカッション「バーゼルIII 最終規制の実施に向けた新たな競争に備える」

・標準的手法と資本フロアの導入が邦銀に与える影響
・NSFR(安定調達比率)の効果とLCR(流動性カバレッジ比率)
・バランスシート、資本ポジション、リスク・リターンの最適化のための戦略
・バーゼル銀行監督委員会の最近の金融規制に関わる試み
・異なる規制管轄間の実施ギャップに対する業界の懸念
・地域市場の抱える問題とアジアにおける有効な対応策応

モデレーター:
有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センター(CRMS)
ディレクター 勝藤 史郎

登壇者:
野村ホールディングス株式会社 グループ・リスク・マネジメント部 マネージング・ディレクター 平野 剛 氏

農林中央金庫 統合リスク管理部 部長 板垣 雅 氏

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 経営企画部 渉外室長 牧野 泰三 氏 


概要
バーゼルⅢ改革の最終規制実施に向けた各社取組み、継続案件であるFRTB規制(トレーディング勘定の抜本見直し)改訂案につきパネリストの皆様による意見が交わされました。

規制実施に当たっては、各国金融機関の間の公平な競争環境を担保するため、各国当局は国際基準に則り整合性ある内容と時期にこれを実施すべきこと、活発な金融市場の流動性に配慮すべきことなどの意見が出されました。

 

保険パネルディスカッション「変わりゆくビジネスモデルと環境におけるERM態勢の展望」

・気候変動やサイバーセキュリティ脅威などの新たなリスクによるビジネスへの影響とERM態勢の強化
・デジタル革命がもたらす課題とチャンスを含む今後のERM態勢の検討


モデレーター:
有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センター(CRMS)
ディレクター 後藤 茂之

登壇者:
RGA リインシュアランス・カンパニー Corporate Vice President, CFO 渡邉 靖久 氏
SOMPOホールディングス株式会社 リスク管理部長 高橋 幸嗣 氏
アクサ生命保険 統合リスク管理部長 山口 暁 氏


概要
保険業界にとって注目すべきエマージングとして気候変動やサイバー脅威が取り上げられたパネルディスカッションを行いました。

パネリストからは、気候変動に関する自然災害の拡大への対策強化やESG投資などへの積極的取り組みが紹介されました。

また、デジタル革命に対応するオポチュニティ面での保険金査定におけるドローンの活用、健康情報の保険サービスへの取り組みが紹介され、リスク面では、サイバーセキュリティ対策に言及されました。
 

>>本セッションは保険毎日新聞(2018年7月10日号)に取材記事が掲載されました

 

イベント概要

本カンファレンスでは、金融業界の最新イノベーション、リスク管理戦略、テクノロジーの進歩、規制環境の変化等のトピックについて、最先端の識見と情報を常に提供しています。

リスク管理の専門家が一堂に会し、最近の国際規制の動向、日本の金融業界への影響、市場変動リスクの低減戦略、資本効率を向上するための実践的な手法、多岐にわたるリスクを管理するための革新的なソリューションなどについて議論しました。


【概要】

・タイトル
Risk Japan 2018

・開催日
2018年6月6日(水) 8:55~17:20(受付開始 8:00)
※17:20~カクテル・レセプション

・会場
シャングリラ・ホテル東京
(〒100-8283 東京都千代田区丸の内1-8-3)

・対象者

金融機関バイサイドや以下の業態に所属する専門家の方々
(規制当局、中央銀行、銀行、政府系機関、事業法人、ヘッジファンド、年金基金、政府系ファンド、保険会社、資産運用/投資顧問会社、インベストメント・バンク、ソフトウェア/テクノロジーベンダー、格付機関、取引所、法律事務所、コンサルタント、他)

・来場人数
約550名

 

>>タイムスケジュール詳細はAsia Risk誌のイベント詳細ページからご確認ください。 ※外部Webサイト 

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