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Asia Risk誌主催「Risk Japan 2019」にリスク管理戦略センターのプロフェッショナルが登壇

2019年6月4日(火)@ザ・リッツ・カールトン東京

Asia Risk誌が主催するRisk Japanカンファレンスにて、有限責任監査法人トーマツ リスク戦略センター ディレクター 勝藤史郎が「非財務リスク管理の高度化と将来」をテーマとした講演のスピーカー並びにパネルディスカッション「転換期におけるリスク管理の優先順位」のモデレーター、ディレクター 後藤茂之がパネルディスカッション「保険および持続可能な開発」のモデレーターとして参加しました。

講演報告

講演「非財務リスク管理の高度化と将来」

・非財務リスク(NFR)の重要性の高まりと規制の見通し
・NFRの包括的展望と分類
・急速に変化する市場とリスク管理環境における効果的なNFR管理のための実践的ツールと戦略

スピーカー:
有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センター(CRMS)
ディレクター 勝藤 史郎

 


概要
デロイトが実施したCROサーベイ(グローバルリスクマネジメントサーベイ第11版)によると、リスクアペタイト上の主な課題として非財務リスクが上位を占めています。本サーベイによると、伝統的な財務リスク管理について「実効的」と回答したCROは約9割という一方、非財務リスクについて「実効的」という回答は約5割に留まりました。この結果から、非財務リスクの管理が実効的に出来ておらず課題と感じられていることから、非財務リスク管理の重要性が高まっていることが分かります。

本講演では、まず非財務リスクの概念を解説したうえで、非財務リスク拡大の背景を説明し、非財務リスク管理の例として、コンダクトリスク・戦略リスク・モデルリスクを紹介。さらに、「質」のリスク管理としての非財務リスク管理態勢構築のプロセスおよび非財務リスクの評価方法を解説しました。また、テクノロジーの活用によって非財務リスクの可視化が可能になることに言及しました。

 

パネルディスカッション「転換期におけるリスク管理の優先順位」

・バーゼル規則最終案の導入と未解決の問題、金融規制の域外適用
・グローバルなコンプライアンス、リスク管理態勢
・非財務リスク管理の高度化
・転換期のリスク管理の重要性

モデレーター:
有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センター(CRMS)
ディレクター 勝藤 史郎

登壇者:
株式会社みずほフィナンシャルグループ 戦略企画部 金融調査チーム 次長/サステナビリティ推進室 室長 森西 徹 氏

野村ホールディングス株式会社 執行役 リスク管理統括責任者(CRO) 中田 裕二 氏

三井住友信託銀行株式会社 コンプライアンス統括部 グローバル・コンプライアンス室 シニア・マネージャー 梁瀬 敏宏 氏 

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 執行役員リスク統括部長 横山 修一 氏


概要

本パネルでは、バーゼルⅢ最終化以降の金融規制やグローバルなリスク管理のあり方、また非財務リスク管理の高度化のあり方につきパネリストの皆様による意見が交わされました。

バーゼル規制の実施に当たっては各国・法域で整合的な実施がなされるべきとの意見、また各国・法域固有の規制強化や域外適用に対する意見が出されました。また、グローバルなコンプライアンスやリスク管理につき、各国固有の対応とグローバルな管理方針とのバランスを維持するためのガバナンスに関する各社取組みが紹介されました。非財務リスクに関しては、サイバーセキュリティ、評判リスク、気候変動等の重要なリスクの管理強化の取組みが紹介されました。最後に、今後のリスク管理・コンプライアンスは、企業価値の向上に資するものであるべきとのパネリストの皆様の共通の意見で終了しました。

 

パネルディスカッション「保険および持続可能な開発」

・保険会社は新たに生起するリスク(デジタルディスラプション、持続可能な保険についての社会的リスクと環境の変化、コンプライアンスリスク、ESG投資など)にどのように対応するのか?
・長期的な企業価値の概念は戦略をどのように変えていくのか?


モデレーター:
有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センター(CRMS)
ディレクター 後藤 茂之

登壇者:
メットライフ生命保険株式会社 執行役 常務 チーフリスクオフィサー  泉 祥子 氏

MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社 理事 総合企画部部長兼財務企画室長 中島 圭一 氏

明治大学教授(保険・リスクマネジメント) 中林 真理子 氏

ミュンヘン再保険会社日本支店 損害保険部門 引受事業部 引受責任者 Dr. René Mück 氏


概要
本パネルでは、保険業界を取り巻く大きな環境変化(デジタルディスラプション、ソーシャルリスク、気候変動等)が保険会社のビジネスモデルにどのような影響を与え、これらに対しどのように取り組んでいるかについて、意見交換しました。

中でも、デジタルトランスフォーメーションによるビジネスモデルの変化と気候変動による収益構造の変化に注目が集まりました。パネリストからは、デジタルディスラプションへの投資が一貫していない状況であっても他社との差別化準備を整えておくべき、データサイエンス教育へ注力するべき、といった意見が出されました。また自然災害の拡大につながる気候変動に対して、ESG投融資の拡大による温室効果ガス排出の抑制、保険引き受け技術の向上と、ソリューションメカニズムの多様化・高度化などについてコメントがありました。また、AIとビッグデータの統合を利用したリスク関連データ分析の高度化による保険サービスの向上、ESG情報の集計システムの開発等の検討が紹介されました。

最後に、デジタルトランスフォーメーションはリアルタイムサービス等時間軸をますます短縮すると共に、一方で気候変動は超長期戦略を強いる、というように、保険経営は、これまでにない時間軸の変化への対応に直面していることをパネリスト全員で確認するとともに、このようなパラダイムシフトに対して、保険業界はビジネス機会と捉えながら前向きに取り組むべきとの認識合わせがなされました。

 

イベント概要

・タイトル
Risk Japan 2019

・開催日
2019年6月4日(火) 8:55~17:00(受付開始 8:00)

・会場
ザ・リッツ・カールトン東京
(〒107-6245 東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン)

・対象者
金融機関バイサイドや以下の業態に所属する専門家の方々

(規制当局、中央銀行、銀行、政府系機関、事業法人、ヘッジファンド、年金基金、政府系ファンド、保険会社、資産運用/投資顧問会社、インベストメント・バンク、ソフトウェア/テクノロジーベンダー、格付機関、取引所、法律事務所、コンサルタント、他)

・来場人数
約600名

 

>>タイムスケジュール詳細はAsia Risk誌のイベント詳細ページからご確認ください。 ※外部Webサイト 

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