最新動向/市場予測

リスクインテリジェンス メールマガジン Vol.50

2019年9月

リスクの概観と金融規制の動向に係る概観について、留意すべき特徴点を炙り出すと同時に、有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センターが考える意見も発信いたします。『リスクインテリジェンス メールマガジン(グローバル・リスク・ウォッチ)Vol.50』(2019年9月)

リスクの概観(トレンド&トピックス)

米国経済下方リスク

有限責任監査法人トーマツ
リスク管理戦略センター
ディレクター
勝藤 史郎
 

米中貿易摩擦の行方は不確実性が引き続き高い。米国は9月1日から、対中国輸入品約1600億ドル相当についての15%の追加制裁関税(いわゆる第4弾)を実施した。さらに10月には1~3弾についても制裁関税の30%への引き上げ、また12月には第4弾の残りの部分(スマートフォン等)の追加関税を実施の予定だ。これは8月当初のトランプ大統領の第4弾実施表明に比べ、関税率は引き上げ、一方で一部の引き上げ時期を後倒ししたことになる。先月の当レポートで見たように米国経済について当方では、いわゆる第4弾を当初公表の10%水準で発動したとしても、米国経済がそれだけで急激な景気減速のトリガーとなるリスクは小さいとみていた。制裁関税水準の当初発表比引き上げがこの見方を大きく変化させるものではない。ただし、来年の米国経済を見据えると、今回の制裁関税の水準引き上げに加えて消費者センチメントの低下、企業景況感の悪化が、現在米国経済の好調な成長を支えている個人消費を減速させるリスクをやや高めつつあることには留意が必要であろう。

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マクロ経済の動向(トレンド&トピックス)

原油価格の供給ショックと需要ショック

有限責任監査法人トーマツ
リスク管理戦略センター
マネジャー
市川 雄介
 

米中対立に再び緩和の兆しが出てきた矢先、原油価格の高騰という世界経済の新たな不確実性要因が浮上した。9月14日にサウジアラビアの石油施設が攻撃され、同国の生産能力の半分、世界全体の5%に匹敵する供給量が危機に晒される事態となったのである。中東情勢の緊迫化を背景とした原油価格の上昇自体はリスクとして広く意識されていたところだが、その引き金として注視されていたのは米国・イランの対立激化と、それに伴うホルムズ海峡の封鎖である。米イラン関係は、トランプ米大統領が戦争回避を志向していることが鮮明となる中、緊張状態が高止まりしつつも、一定の落ち着きをみせていた。対イラン強硬派のボルトン大統領補佐官が解任されたこともあって、喫緊の武力衝突とそれによる原油市場の不安定化リスクは低下していたというのが、大方の判断だろう。今回のように産油国の供給能力が直接棄損される状況はほとんど想定されておらず、直後の金融市場では原油価格が2割近く急騰した。

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金融規制の動向(トレンド&トピックス)

ボルカー・ルール改定による恩恵には期待も今後の規制動向は政治に注目

有限責任監査法人トーマツ
リスク管理戦略センター
マネジャー
対木 さおり


2019年8月20日に、FDIC(米連邦預金保険公社)とOCC(米通貨監督庁)は、複数の米国金融当局により提案されていたボルカー・ルールの改定に関する市中協議結果を受けた最終改定案を承認した。2018年市中協議では、様々な提案がなされたが、各提案に対する再修正が行われ、今回の最終改定で、結果として要件の更なる明確化に加え、一段の負担緩和がなされる見通しとなった。改定内容は、広範なものだが、ごく簡略化して主な内容を紹介すると以下のような内容となる。

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講演情報

【セミナー・外部講演】

◆2019年 ISDA 地域総会(10月25日:ザ・リッツ・カールトン東京)

ISDAの2019年地域総会にて、有限責任監査法人トーマツ リスク戦略センター ディレクター 勝藤史郎がパネルディスカッション「自己資本規制の導入に向けて」に参加します。

詳しくはこちら(外部サイト)をご覧ください。
 

◆金融リスクマネジメント&サイバーセキュリティフォーラム2019(10月16日:ロイヤルパークホテル)

JTBコミュニケーションデザイン主催の金融リスクマネジメント&サイバーセキュリティフォーラムにて、有限責任監査法人トーマツ リスク戦略センター ディレクター 勝藤史郎が、パネルディスカッション「非財務リスクへの対応とリスク管理の高度化」」にモデレーターとして参加します。

詳しくはこちら(外部サイト)をご覧ください。

 

◆JTBコミュニケーションデザイン主催 「金融リスクマネジメントフォーラム 2018」(2018年10月31日:ロイヤルパークホテル) 


JTBコミュニケーションデザインが主催する「金融リスクマネジメントフォーラム 2018」にて有限責任監査法人トーマツ リスク戦略センター ディレクター 勝藤史郎が「金融機関事業戦略とリスクマネジメント」について講演します。

詳しくはこちらをご覧ください。

【その他】

有限責任監査法人トーマツは、個人の専門的能力の向上を支援することを目的に、日本金融監査協会に賛助企業として登録しており、リスク管理戦略センターからは講師として研修セミナーに登壇しています。

研修セミナーの詳細はこちら(外部サイト)よりご確認ください。

 

リスクインテリジェンス メールマガジン

グローバルな視点からみた、企業経営上の様々なリスクをチェックするリスクインテリジェンス メールマガジンでは、毎月、過去一ヶ月間に起きた事象を振り返りながら、事業リスクという視点から、多くの金融機関や事業法人が留意すべき特徴点を炙り出します。同時に、様々なリスク管理や金融規制上のトピックに関し、デロイト トーマツ グループの一員である有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センターが考える意見も発信していきます。

 

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