セミナー

【開催報告】不祥事の発生メカニズムと対応策

~発覚直後の対応から再発防止・恒久的改善にむけたポイント解説~

2018年12月14日、「『常識のズレ』が引き起こす不祥事」、「不祥事発生メカニズムと対応策」、「実態解明に向けたデータ分析の活用」をテーマにセミナーを開催しました。その模様をダイジェストでご紹介します。

2018年12月14日、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社は「不祥事の発生メカニズムと対応策 ~発覚直後の対応から再発防止・恒久的改善にむけたポイント解説~」と題したセミナーを開催しました。

テーマとなったのは「『常識のズレ』が引き起こす不祥事」、「不祥事発生メカニズムと対応策」、「実態解明に向けたデータ分析の活用」で、それぞれについてプロフェッショナルが講演を行いました。その模様をダイジェストでご紹介します。

 

開催概要

開催日:

2018年12月14日 

主催:

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社

開催地:

東京・丸の内(デロイト トーマツ グループ セミナールーム)

対象:

法務部門・品質管理部門・経営企画部門・コンプライアンス部門
ご担当責任者様向け

定員:

70名 

 

『常識のズレ』が引き起こす不祥事

西村あさひ法律事務所 
パートナー弁護士 梅林 啓氏
 

なぜ不祥事は発生するのか、それを防ぐためにはどうすればいいのかなどについて、企業の危機管理分野に精通した梅林啓弁護士が分かりやすく解説しました。
 

基本的な問題意識

冒頭、梅林弁護士は「今まで起きてきた不祥事を見ていると、どの組織にも不祥事が発生する温床があると感じざるを得ない。この組織は完璧な組織なので不祥事は起きない、そう胸を張れる組織はおそらくこの世にはない」と述べました。
 

企業のガバナンス

企業は社会からどう見られているか。梅林弁護士は、社会は個人よりも企業を信頼するものであると説明します。それを前提とした際、「営利企業は、株主のために利益を最大限に追求するものという理屈はどこまで許容されるかが問題となります」と話しました。たとえば、利益のためだからといって何をやっても許されるわけではなく、違法でなかったとしても、法の抜け穴を利用する行為やモラルに反する行為をしていいわけではないということです。

このように説明したうえで、梅林弁護士は「経済社会ではどの企業も競争している。競争相手を出し抜こうとすると、清廉潔白ではいられないことになる。しかし、いったん不祥事が発生すれば、清廉潔白でなかったことが激しく糾弾される状況にある」と語りました。
 

常識のズレ

企業不祥事の原因を考えるキーワードとして梅林弁護士が挙げるのは「常識のズレ」です。人は「常識人の顔」と「非常識人としての顔」の二面性を持っていると指摘。その背景にある理由として「組織の常識は、必ず一般常識とはズレている」、「人の常識は、ある組織に染まることで徐々にズレてくる」と説明します。このように、常識と非常識という言葉を使いつつ、不祥事が発生する背景や不祥事対策などについて解説が行われました。


 

不祥事発生時における危機対応の要諦

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
フォレンジックサービス 佐藤 保則
 

不祥事発生から回復に至るまで

不祥事の発生に伴い、企業にはどのような影響が出るのか、また、その影響から回復するまでには何をすべきでしょうか。佐藤は不祥事により企業の信用力の低下や営業への影響、あるいは株価の低迷などによってさまざまな「稼ぐ力」が弱まると説明します。それを食い止めるには、利害関係者から一定の納得を得るために不祥事が影響する範囲の特定や再発防止に関する行動が求められるほか、その定着・改善が継続して講じられなければなりません。したがって、不祥事の初動対応は数カ月程度であっても、回復するには年単位の時間を要すると述べました。

さらに利害関係者との合意プロセスや他件調査の必要性、事案公表など実務面まで含めた不祥事対応について説明したうえで、初動対応のポイントや再発防止策の立案および実行における留意点などについて詳しく解説しました。


 

実態解明に向けたデータ分析の活用

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
フォレンジックテクノロジー 加藤 俊之
 

不祥事が発生すれば、その調査のために多額の費用が生じます。そのコスト負担を軽減するためには「有効な情報ガバナンスのもとで文書情報を管理すること、そしてデータ分析を活用した兆候把握が必要」だと加藤は説明します。多くの企業では有事対応を想定した文書管理が行われていないため、無駄なコストが生じているケースが少なくないと指摘し、具体的な文書管理のポイントについて説明が行われました。そして情報ガバナンスを実現すれば、自社でコントロールできるデータの割合が増え、それによって開示すべきデータ量の圧縮と有事の際のコスト最適化を図ることができると説明しました。

加藤は、不正が発覚した際に行う調査方法としてメールレビューを挙げる企業の割合が大幅に増加したことを示す調査結果を紹介。「最近は厳密な事実究明が求められ、調査手法も多岐に渡る。その中でもメールレビューによるコミュニケーションデータの調査が重視される傾向にある」と語り、具体的なソリューションを紹介しました。

 

セミナー全体のまとめ

不祥事の防止を考えるうえで、不祥事が起きるメカニズムについて理解し、適切に不祥事防止のための仕組み作りを進めていくことは極めて重要でしょう。さらに不祥事が発生した場合に備え、社内で作成される文書を適切にコントロールするための枠組み作り、さらにはメールモニタリングのための環境の構築についても意識することが大切です。

 

開催予定セミナー

同内容のセミナーを以下のスケジュールで開催します。

2019年3月1日
不祥事の発生メカニズムと対応策【名古屋】

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このセミナーに関するお問い合せ

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
セミナー事務局
Tel:03-6213-1180
E-mail:dtfa_seminar@tohmatsu.co.jp