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「IoT化時代のデジタルトランスフォーメーション」報告

2017年6月30日に開催された「デジタル マーケティング マネジメント デイ 2017 Summer」(主催 SBクリエイティブ株式会社)にデロイト トーマツ コンサルティング合同会社Deloitte Digitalデジタルストラテジーリーダー、執行役員の岩渕 匡敦とシニアマネジャーの湯澤 謙一が登壇し、「IoT化時代のデジタルトランスフォーメーション」と題して、デジタル化による消費者の購買行動変化、顧客起点のグローバルプレイヤーの取り組み、日本企業がとるべきアクションについて講演を行いました。

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講演の概要

消費者接点がデジタル化

  • 消費者はライフスタイルを起点に嗜好が細分化している。デジタル化に慣れたGeneration Y(1980年代~1990年代生まれ)は商品やサービスへの嗜好や行動が他の世代と大きく異なる。(図1)
  • 消費者は自分の好きなときに好きな場所でいつでも情報を入手できる時代になった。企業が顧客満足度を高めるためには、デジタル化が必須であることは確かである。その一方で、企業の広告や送られてくる電子メールは、多くの消費者は「無視する」「メッセージを消す」と言っており、ただチャネルをデジタル化するだけでは意味がない(デロイト『2013年グローバルモバイル消費者調査』)。
  • 消費者の嗜好や行動が多様化するなかで、広告はますます届きにくくなっており、企業は機能的な価値の訴求から、ブランドの本質的な価値を「観念的」なレベルまで高めて、マーケティングメッセージを伝えることが肝要である。
     
【図1】消費者はライフスタイル起点に嗜好が細分化

デジタル化に慣れたGeneration Yは商品やサービスへの嗜好、行動が大きく異なる


グローバル企業の取り組み

  • こうした消費者行動と消費者接点の変化に対応すべく、グローバル企業は顧客起点の改革を推進しており、欧米系企業だけでなく、中国系・韓国系企業にも及んでいる。
  • 具体的には、マーケティング効率化や施策間の連携支援のため、データ蓄積・統合システムを導入、顧客経験全体を踏まえたマーケティングプランを設計・実行するなど、高度なデータ分析・活用に取り組んでいる。
  • また、組織面では、デジタル改革を推進する専任のリーダーを設置し、彼らにイノベーション、マーケティング戦略、IoT活用、デジタル・ビッグデータ戦略、KPIマネジメント、プロジェクトの立ち上げ・実行などの役割と権限を与えている。


アナリティクス活用でマーケティング投資を最適化 – 国内A社の事例

  • マーケティング投資に対するROI(投資対効果)は、その要因の複雑性からきちんと把握されておらず、現場マーケターの慣習、“カン・コツ”で実施されているという背景があった。
  • 以下を実現し、マーケティング投資の意思決定プロセスを実現した。(図2)
-セールスパフォーマンスダッシュボードで問題箇所を特定
-車種×エリア×方策粒度でのROI実績把握
-期待ROIをベースにした投資すべき方策判断

【図2】データ分析結果に裏付けされたマーケティング活動による、利益の最大化の実現を目指した
画像をクリックまたはタップすると、拡大版をご覧になれます
  • 各方策のROIが見える化されることで、限られた投資で最大限の利益を生み出すマーケティング投資のシミュレーションも可能になった。
  • 本活動は一時的な活動ではなく、自走し続けなければならない。
    そのためにはマネジメントの強いコミットメントのもと、自走できる組織設置・人材育成が必須(図3)。

【図3】本活動は一時的な活動ではなく、自走し続けなければならない。

日本企業がとるべきアクション

  • デジタルテクノロジーによるディスラプションやイノベーションは、メディアや広告の領域から始まったが、その波は製造業、消費財業界にも確実に広がっている。
  • 製造業はIoTを活用した垂直統合型でプレミアムユーザーの囲い込みを加速化させている。食品などの非耐久消費財は競争が非常に激しく、同じ品質であれば低価格で、必要なものが、必要なタイミングで届くことが顧客のニーズである。メーカーは商品単体ではなく、IoT機器やサービスとの組み合わせでこうしたニーズに対応しようとしている。家電などのライフスタイル型耐久消費財は、ライフスタイルでニーズが異なり、所得の上位中間層以上のプレミアムセグメントが増加している国では、機能面だけではなく、情緒的価値に訴求する製品が選択されるようなってきている。グローバルプレイヤー間の競争も激しさを増すなか、eコマース、モバイルアプリケーション、IoTデバイスの垂直統合によって得られたデータをもとに顧客分析を行い、購入後の顧客体験向上によるエンゲージメント強化に取り組む事例も増えてきている。(図4)
  • デジタル化は、より顧客接点に近いところが注目されるが、仕組み(収益モデル、企業間ネットワーク、特長・アセットの組み合わせ、プロセス)、製品(製品性能、製品システム)、顧客経験価値(サービス、チャネル、ブランド、顧客接点)の全てについて、顧客視点でビジネスモデルを変革する必要がある。
     
【図4】産業別にみる日系企業IoT/Digital化の進展
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